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なぜ「ふまじめな観光客」がトランプ時代の希望なのか?

6/4(日) 8:17配信

BuzzFeed Japan

ポピュリズムもナショナリズムも越えていく

骨太の哲学書が話題になっている。リードしているのは哲学者・東浩紀さんの『観光客の哲学』だ。何かと息苦しく、先行き不透明なこの時代に絶望しない哲学がここにある。鍵は「観光客」。そう、ふつうに観光を楽しむ人たちだ。【石戸諭 / BuzzFeed Japan】

刊行にあわせて東さんはこんな宣言をした。

「哲学書の読者を大きく変えたい。本来の市場を自己啓発書とスピリチュアル本に取られている」
「今まで哲学や思想なんて関係ないと思っていた人に読んでほしい」

東浩紀さん。1990年代後半、新世代の哲学者としてデビュー作が異例の売れ行きを記録し、一躍「時の人」になった。

その後のキャリアは華やかだが、かなり変わっている。

哲学や批評だけでなく、小説、人生論を交えたエッセイも書き、賞を次々と受賞する。
早稲田大に勤めたこともあったが、一転、自ら起業した出版社「ゲンロン」の社長に。

いまは批評誌の出版、トークイベントを主宰と多忙な日々を送る中小企業の社長兼哲学者だ。

そんな東さんが「今までで一番、自信がある」と送り出した一冊が『観光客の哲学』である。

言葉はあくまで平易で、専門用語を知らなくても読める。しかし、中身は今日的でありながら、議論の射程は歴史を捉えている。

テーマはこうだ。

「自分の国のことばかり考えているのではなく、自分たちとは違う存在(=他者)を大事にしましょう」というごもっともな話が通用しなくなって、「仲間うちだけが大事で、他者とは付き合いたくない」という声が力を持つ、この時代ートランプ米大統領の誕生は象徴的だー。

ほんとうにそれでいいのか?自分が良ければそれでいい、という理屈で人間として生きることができるのか。

根本から、あくまで論理的に問い直す。鍵を握っているのが、家族や友人と気楽な旅行を楽しむふつうの「観光客」である。

ちょっと突拍子もなく聞こえる? まずは哲学者の時代認識に耳を傾けてみよう。

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最終更新:6/4(日) 8:17
BuzzFeed Japan