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元リクルートの働き方カリスマ、複業人生の始まりは19歳で父になった夏

6/4(日) 8:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

副業や兼業、リモートワークと多様な働き方に注目がかつてないほど集まる今、複業研究家として、このジャンルの若きオピニオンリーダーとなっている28歳がいる。リクルートグループに在籍時代から、採用支援の傍ら数々の勉強会やイベントを手がけ、父親の子育て促進にも奔走する3児の父でもある西村創一朗さんだ。西村さんは副業でも兼業でもない「ボーダレスワーカー」という生き方を提唱する。その原点にあるのは、決してなだらかではなかった、これまでの道のりだ。

【画像】3児の父でもある西村創一朗さん

彼女の親に3時間土下座した19歳の夏

西村さんの複業家としての人生の始まりは、大学1年生だった19歳の夏休み最後の日にさかのぼる。

その日、高校時代から付き合っていた彼女の妊娠が発覚した。

東京郊外の産婦人科を2人で訪れた帰り道、駅前のロッテリアでこれからどうするかを話した。

「周囲からはバカップルと言われるほど大好きで、当時から結婚するつもりでいた相手だったので、妊娠がわかってまずは嬉しかった。けれど、すぐその後にどうしよう、と」

10代のカップルに、現実が襲いかかる。

産まないという選択肢は皆無だったので、西村さんは大学を辞めて就職しようと覚悟した。子どもを育てていくにはそれしかない、と。

ロッテリア店内にあった求人誌には「未経験可、正社員30万円から」との求人広告があった。「これなら行けるか」。わらをもすがる思いだった。

その足で彼女の実家を訪ねた。事情を知った彼女の母親は、部屋にこもって泣いている。

「部屋の敷居をまたぐことができず、廊下で土下座をして、とにかく大学を辞めて就職して、一生懸命稼いで育てます、と頼み続けました」

3時間あまり、そうして頭を下げているところに、彼女の父親が帰ってくる。

その日は一旦解散し、週末に双方の両親も交えて話し合うことに。 「絶対に、反対されるだろうな。」 そう覚悟していた中、彼女の父親からかけられた言葉は意外なものだった。

「大学中退でよくわからない会社に就職するよりは、ちゃんと4年間勉強して、卒業しなさい」。

それこそが君の、責任であると。

その瞬間から大学生活は「しっかりと就職をして、子どもと妻を養うために使う時間」になった。翌日から日経新聞を買って、毎日ひたすら読み込んだ。

家族を養う決意をもって結婚と出産を認めてもらうと、妻の実家に同居して子どもを育てながら大学に通う生活が始まった。

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