ここから本文です

日米欧中韓の五大特許庁、行動指針10年ぶり見直し 高品質な審査へ協力枠組み拡大

6/4(日) 11:58配信

日刊工業新聞電子版

■「質の高い審査」明記

 世界の特許出願の約8割を占める日本、米国、欧州、中国、韓国の五大特許庁は中長期の行動指針を10年ぶりに見直し、日本が主張してきた「質の高い審査」を明記した。企業の技術革新や、世界展開を支えるには日本の審査結果が海外でも通用し、迅速に権利化を図れる審査の質的向上が欠かせない。五大特許庁は従来、業務効率化に連携の軸足を置いていたが、今後は高品質な審査への関与など協力の枠組みを広げる。

 マルタ共和国で1日開催した第10回五大特許庁長官会合で「質の高いタイムリーな審査」「制度調和」「ワークシェアリングと費用対効果のさらなる向上」「特許情報への継ぎ目ないアクセスの提供」を盛り込んだ五庁ビジョンを策定。共同声明に合意した。

 同時に国際特許出願調査(PCT協働調査)について、2018年5月からの試行を目指すことでも合意。同調査は、一つのPCT国際出願に対して主担当の特許庁が副担当の特許庁と協働し、特許可能性を判断する。出願人は一段と信頼性の高い調査報告を得られる。

 協力開始から10年を迎えた五大特許庁はこれまで「ワークシェリング」での連携を行動指針の柱としてきた。この間に、日本が提唱し、連携の下で、世界45の知財庁が特許審査ハイウェイ(PPH)を実施するなど一定の成果を上げた。

 審査結果の相互利用や手続きの簡素化などに加え、今後は審査の「均質化」を進めながら、産業界の発展を後押しする。日本の特許庁はアンケートや有識者会議など外部の意見を積極的に政策に取り入れ、審査の「質」に関する定量目標を設定するなど取り組みを強化してきた。