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SIMフリースマホ「NuAns NEO [Reloaded]」レビューー社員20人のメーカーが問う“超現代的“モノづくり

6/4(日) 20:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

ちょっと変わったスマートフォンが6月上旬、発売になる。その名前は「NuAns NEO [Reloaded]」(ニュアンス・ネオ・リローデッド)。発売するのは、家電メーカーでも携帯電話事業者でもなく、スマートフォンのケースやケーブル、周辺機器などを販売する「トリニティ」という小さな会社である。全社員20人程度にすぎない彼らがなぜ、マスプロダクトの代表格のようなオリジナルのスマホを作れるのか? この仕組みを分析すると、「メーカーとはなにか」という言葉に対する答えが見えてくる。このスマホがどんな完成度なのかを、出荷直前の製品から探ってみよう。

【画像】NuAns NEO [Reloaded]。独自性が高く、個性を演出できるデザインが特徴のSIMフリースマートフォンだ。

「意気込みさえあればメーカーになれる」は本当なのか?

スマートフォンは複雑な機器で、巨大資本を持つ大メーカーしか作れない……と思っている人も多いが、今やそういう時代ではない。香港・台湾・深センあたりにはスマートフォンの設計や生産を受け持つ企業(業界一般には「EMS=電子機器受託生産メーカー」と呼ばれる)が増えており、彼らの協力を得て、多少の資金さえあれば、文字どおり誰でもスマホメーカーになれる。これが2017年現在のモノづくりの現実だ。

そうした時代に問われるのは、「作れたとして、実際に大きなヒットを出せるか否か」。どこでも作れるものはどこでも買えるものであり、差別化ができない。差別化できないものは価格競争くらいしかやることがない。価格競争で戦えるのは、それこそ大メーカーのようなごく限られた企業だけだ。

トリニティ・星川哲視社長は、こう話す。

「スタンダードモデルを買い付けてくるのではオリジナリティがなく、価格のみの競争となるため当社が販売する意味はまったくない。スマホメーカーになりかったわけではない。我々としてはiPhone以外に欲しいと思える端末が少ないという状況を打破したかった。最終的に自分たちで作るしかないとの結論からスマートフォンに至ったので、すべてを新しく作らないと存在意義がない」

適切なパートナーを選んで立ち回れば、オリジナリティの高いスマホがゼロから作れるのが、今の「スマホ作り」なのである。

トリニティは、価格が4万5000円以上の「プレミアム」かつ「SIMフリー」なスマートフォンの市場を狙う。日本の場合、この分野の市場規模は15万台から20万台とみられている。トリニティは、製造するスマートフォンの台数を公表していないが、全体の市場規模から判断しても、その数は「数万台」規模だろう。台数的に見れば、大手メーカーの足下にも及ばず、国際的にもインパクトはない。だが、今は適切なパートナーを選べば「作れる」。外装の加工などについても、同社がこれまでにスマホケースのビジネスで関係を構築した企業とも連携して生産に取り組んでいる。

“デザインで差別化する“という点は、パッケージにも現れている。 スマホの箱は四角く白いものである場合が多いが、よりおしゃれな形状で、中身を出してしまった後は貯金箱として使える……という工夫もある。スマホケースメーカーとして消費者を見てきたノウハウが生きている。

とはいえ、トリニティは社員20人以下の小さな企業であり、余裕があったわけではない。「先行投資も含め、負担だった」(星川社長)という。その中で、できる限り外部のリソースを使い、少数精鋭であたることでリスクヘッジを行なっている。

「デザインだけでなく、機能面でも十分な仕上がり。前機種の数倍の販売が見込めるのでは」と星川社長は自信を見せる。実際、完成度は十分だ、と筆者も感じる。機能的にも、いわゆる格安スマホとは一線を画している。 あとは、彼らが狙う「デザインでの差別化」を消費者が理解し、ファンになってくれるか否かだ。

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