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核禁条約を前面に 日本不参加言及せず 長崎平和宣言原案

6/4(日) 10:24配信

長崎新聞

 8月9日の「長崎原爆の日」に平和祈念式典で田上富久長崎市長が読み上げる平和宣言文の起草委員会の第2回会合が3日、同市内であり、田上市長が原案を提示した。来月上旬にも国連で採択される見通しの「核兵器禁止条約」について核保有国に参加するよう促したが、米国の「核の傘」に依存する日本政府が交渉に参加していないことには言及しなかった。

 また前回の会合では安倍晋三首相が掲げた憲法9条改正に触れるよう求める意見が相次いだが、原案には明記しなかった。

 原案の約半分は「核兵器禁止条約」の内容が占めた。被爆者が長年の悲願としてきた同条約を宣言の前面に出すことに賛同する意見は多かった。だが、唯一の被爆国にもかかわらず交渉に参加していない日本政府に対し、長崎平和推進協会の横瀬昭幸理事長(78)は「市民は日本の不参加を理解できないと直言してほしい」と求めた。

 原案は憲法の「平和の理念」を守る重要性は訴えているが、9条改正について言及はなく、福祉生活協同組合いきいきコープの升本由美子理事長(70)は「国内の政治的な動きに触れないのはいかがなものか」と疑問を呈した。

 また原爆投下時の被爆地の惨状を訴える表現について、核廃絶を巡る国際情勢を学んでいる長崎大医学部5年の西田千紗さん(22)は「事実の羅列で感性に訴えてこない。だれに届けたい宣言なのか」と批判した。

 原案は過去の宣言でたびたび言及した「非核三原則の法制化」にも触れていない。

 田上市長は原案の修正について「これから盛り込む部分、あきらめる部分を選択する」と説明。最終回となる次の会合は7月1日で、市側が修正案を提示。同月下旬に最終決定する見通し。

長崎新聞社

最終更新:6/4(日) 10:24
長崎新聞