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“職業病”に負けず 「高橋うどん」のれん再び/八戸

6/4(日) 10:02配信

デーリー東北新聞社

 八戸の人気うどん店が約1年4カ月ぶりに復活―。2015年12月末に惜しまれつつ閉店した「高橋うどん」が、5月11日に青森県八戸市新井田石仏に移転し、再オープンした。「自分のペースで働きたい」と、店主高橋豊さん(64)がのれんを掲げたのは自宅の隣。既に再開の知らせを聞き付けた常連客らが続々詰め掛け、以前と変わらない味を楽しんでいる。夫婦二人三脚でうどん作りに励む高橋さんは「できる限り店を続けたい」と熱意を込める。

 新井田西地区にあった旧店舗は02年6月にオープン。市内の製麺所で働いていた高橋さんが、香川県の有名店を訪れて本場の讃岐うどんに触れ、「自分が感動した味を八戸に広めよう」と一念発起して創業した。

 うどんを注文し、天ぷらなどのトッピングを自分で取る「讃岐スタイル」は、当時の八戸では数少ない存在。腰のある自家製うどんや、煮干しや昆布のだしが効いたつゆが評判となり、市外からもリピーターが訪れる人気店となった。

 だが、営業を続けるうちに、高橋さんの両手親指の付け根に痛みが。手打ちにこだわった“職業病”とみられ、軟骨がすり減っていた。商売を始めて約13年がたった15年12月。近い将来の再オープンを誓い、賃貸契約だった店を畳んだ。

 その後、体を休めていたが、多くの常連客から「手は治った?」「心待ちにしてるよ」と後押しされ、再開を決意。日本政策金融公庫八戸支店から支援を受けて自宅敷地内に新店舗を設け、大事にしまっていたのれんを再び掛けた。

 店内にはテーブルとカウンターの18席を設置。セルフ式は変わらず、あっさり味のつゆも以前のままだ。蛇口をひねって温かいつゆを入れるタンクも引き続き使用。天ぷらはサイズを小さくして価格を下げ、数種類を食べやすいようにした。

 平日は基本的に、妻の幸子さん(60)と2人だけで営業。営業終了後、翌日のうどんの仕込みに当たる。生地を足で踏み固めるのが重要な工程で、独特の腰が生まれるという。

 再開後に訪れた常連客からは「久々に食べておいしかった」「また頑張って」と励ましの声が寄せられている。幸子さんは「夫と2人仲良く、細く長く続けていきたい」と話す。

 調理場に立つ高橋さんは「お客さんに喜んでもらえて本当にうれしい。心が折れそうになったこともあったけど、再開して良かったよ」と充実の表情。まだ両手に痛みは残るが、「自分のペースで、また10年、15年と頑張っていきたい」と意気込んでいる。

 営業時間は、平日が午前11時~午後3時。土日祝が午前8時~午後3時。火、水曜は定休。駐車場5台。

デーリー東北新聞社