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濃霧、捜索も阻む 立山に小型機墜落 

6/4(日) 0:55配信

北日本新聞

 セスナは一体どこへ-。北アルプス・立山連峰で3日にあった墜落事故。発生した午後3時ごろは霧が濃く、観光客や山小屋のスタッフらは「機影なんて見えない」と言い、「大きな音も聞こえなかった」と口をそろえる。県警はヘリコプターで捜索したものの視界が悪く断念。山岳警備隊員を徒歩で向かわせたが、乗員や機体は発見できなかった。夜は氷点下になるため「一晩過ごすのはつらいだろう」と心配する人もいた。 

 地上からの捜索拠点となる上市署室堂警備派出所。真っ暗になった午後8時25分ごろ、山岳警備隊員らが戻ってきた。表情は疲れ、リュックには吹き付けられた粉雪が見える。報道陣の問い掛けに「明日も早いので」とだけ返し、多くを語らなかった。

 県警は、墜落したのは大観峰付近とみている。黒部湖畔にある「ロッジくろよん」の佐伯京子さんは、晴れた日なら大観峰周辺を見渡せるものの、この日は朝から霧で何も見えず、異常な音も聞こえなかったと言う。

 大観峰周辺は雪が積もっており「もし雪の上に落ちたなら、大きな音が出ないかもしれない」と佐伯さん。午後1時半ごろに周辺を通過した新潟市の男性は「10メートル先も見えなかった」と振り返る。

 大観峰から約2キロ離れた一ノ越。一ノ越山荘の鈴木松男さんによると、午後3時ごろは「20メートル先も見えない状態」と説明する。冬型の気圧配置のため、2日から強い風が吹いていたという。神戸市の男性(70)は一ノ越からの下山中、濃霧のため道に迷った。「あの状況で飛んでいたとは信じられない」

 大勢の観光客が集まる室堂。スノーボードをしていた新潟県妙高市の男性は「目の前が真っ白になり、午後1時半には滑るのを諦めた」。室堂ターミナルにあるホテル立山のスタッフは「視界は悪く、衝撃音も聞こえなかった」と話す。約200人が宿泊していたが、事故について語る人はいなかったという。

 立山室堂山荘によると、午後8時すぎの室堂周辺の気温は氷点下2度。2日には6月では珍しく、雪が積もったという。スタッフは「墜落した場所にもよるが、外で一晩過ごすのはつらいだろう」と心配した。

■天気あまり良くなくて… 小口さんフェイスブックに投稿
 小型機に乗っていた1人とみられる長野県岡谷市の小口英児さん(48)は3日午前11時20分ごろ、フェイスブックの自身のページに「久しぶりの富山空港着陸 天気あまり良くなくて、山越えできず」と書き込んでいた。墜落したとみられる小型機の写真も掲載されている。

 このページには事故発生後に投稿を見た知人から「大丈夫?」「電話繋がんないけどどうなってる?」「無事でありますように。」などとメッセージが書き込まれていた。

 県警によると、小型機は同日午前10時半すぎに富山空港に到着。この時の様子を、飛行機の撮影が趣味という富山市の男性が近くの緑地公園から写真に収めていた。

 男性は飛び方や着陸時に異変はなかったと言い、「乗っていた人の無事を願うばかりだ」と話した。

北日本新聞社

最終更新:6/4(日) 0:55
北日本新聞