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[大弦小弦]白っぽいイモをくりぬき、飛び交う蛍を捕まえてその中に…

6/4(日) 7:55配信

沖縄タイムス

 白っぽいイモをくりぬき、飛び交う蛍を捕まえてその中に入れ提灯(ちょうちん)のように持って遊ぶ。ホタルを使った昔の遊びを教えてくれたのは琉球舞踊家の大城政子さん。ホタルをモチーフに創作舞踊「じーなー」(方言でホタルの意味)で女性の恋心を描いた

▼ホタルは「古今和歌集」の時代から忍ぶ恋の象徴だった。各地の民謡を集めた江戸時代の本に「恋に焦がれて鳴く蝉(せみ)よりも鳴かぬ蛍(ほたる)が身を焦がす」という歌が収められている(岩波文庫『山家(さんか)鳥虫(ちょうちゅう)歌(か)』より)。淡く一定のリズムで明滅する光には風情がある

▼県内はちょうど今、ホタルが多く見られる時期。沖縄気象台によると、今年のホタルの初見は4月16日で、観察場所は意外にも街中、那覇市城岳小学校の周辺

▼かつては宜野湾市真志喜の祖母宅周辺でホタルをよく捕まえた。浦添市のてだこホール近くの国道330号沿いの場所も20年ほど前は畑で、ホタルが舞っていた

▼沖縄自然環境ファンクラブの計良亨さんによると、ホタルがいなくなったのは、街が明るくなったから。雄は求愛のため発光するが、明るいと雌にサインが届かない。だから人里からホタルが消えた

▼人が便利さや快適さを追求すれば生物や自然に何かしら影響を与える。大きな声の訴えにではなく、鳴かぬホタルのかすかな光にこそ、目をこらす必要がある。(玉城淳)

最終更新:6/4(日) 7:55
沖縄タイムス