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沖縄で「金」密輸事件が過去最多 その背景は?

6/4(日) 16:00配信

沖縄タイムス

 「金」を密輸したとして沖縄地区税関が2015事務年度(15年7月~16年6月)に処分した件数14件と脱税額約4800万円がいずれも過去最多となったことが、同税関への取材で分かった。

 関係者は、国内で売却し消費税分をもうける手口が増加していると指摘。組織的な密輸の実態や悪質性がなければ、覚醒剤などの密輸と違い「低リスク」で、罰金を払う行政処分だけで済み、逮捕はされずに金も返却される。

 15事務年度に処分された14件のうち、関税法違反で告発されたのは1件のみ。残りは通告処分で罰金の支払いだった。内訳は日本人が最多の13人、香港3人、韓国2人で、すべて那覇空港で発生した。

 16年11月末には、石垣港で外航クルーズ船に乗った台湾人の男女が金塊15キロを密輸。港を経由した密輸が増加傾向にあるという。

 警視庁や県警は16年6月、マカオから那覇空港に着陸したプライベートジェット機から金約110キロ(約4億8千万円相当)が見つかったとして、関税法違反(無許可輸入未遂)などの疑いで暴力団関係者らを逮捕。以降、空港での取締が強化されていることから、密輸手段が旅客機からクルーズ船へ移行しているとし、取締を強化している。

金密輸増加の背景:消費税分の利ざやが目的

 金の密輸増加の背景には、14年4月の8%への消費税増税がある。本来「金」は輸入が禁止されておらず、海外から持ち込む際は申告し、消費税などを納めれば違法にならない。密輸の場合、元値に消費税8%分を上乗せした額で売却でき、その分が「利ざや」になる。金1キロの相場は約400~450万円で、もうけは32~36万円になる。

 今後、消費税が10%に上がれば、利ざやはさらに増える。税関幹部は「薬物密輸と違って罪の意識が低く、旅行のついでに、数万円の成功報酬で安易に『運び屋』を引き受けている可能性がある」と危機感を強める。県警捜査幹部は、暴力団などの組織犯罪グループが「しのぎ」として、国内への持ち込みが禁止されている覚醒剤などの「ハイリスク」な密輸から「金密輸」に移行している可能性がある、と見ている。

 金の密輸は全国的に増加。15事務年度に全国で発生した金の密輸事件は294件で前年度比1・7倍に増加。脱税額は約6億1千万円(同2・6倍)で、いずれも過去最高を記録した。金をからだに巻き付けるなどして密輸したケースが最多の176件だった。

最終更新:6/5(月) 9:20
沖縄タイムス