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中国の投資会社が「バカラ」買収

6/5(月) 6:30配信

ZUU online

250年以上の歴史を持つフランスのクリスタルメーカー「バカラ」が中国の投資会社に買収された。ニューヨーク・タイムズ紙によると、中国の投資会社フォーチュン・ファウンテン・キャピタル(FFC)が、企業支配権を持つ米投資会社スターウッド・キャピタル・グループとエル・カタートンが所有する88.8%のバカラ株式を1億6400万ユーロ(約205億円)で取得して経営権を取得したという。

FFCは、バカラが1764年に創業した地であるバカラ村の工場と従業員およびブランドの伝統と卓越した職人技を保持する意向。また2013年から現職のダニエラ・リカルディCEOも留任する予定である。中国の工芸は世界的に有名だが、フランスの伝統技術をそのまま継承できるのか、早くも危ぶむ声が上がっている。

■バカラの経営権は2005年に米投資会社へ

バカラ (Baccarat)は、フランス東部のロレーヌ地方にある小さな村の名前に由来する。フランス国王ルイ15世は1764年、クリスタルガラスの製造をバカラに認可、1823年のパリ国民博覧会では、その高い透明度と巧みなカット技術が高く評価されて、金賞を受けた。以来、王侯貴族や諸外国の王家などで愛用され、その名は世界で知られる。

プライベートエクイティ投資会社スターウッド・キャピタルは2005年に、テタンジェ一族からバカラを買収した。12年には仏高級品ブランドLVMHモエヘネシー・ルイヴィトン傘下の投資会社エル・カタートンもバカラに出資した。以来、公開されているバカラ株は10%に過ぎなかった。

バカラの収益は近年落ちている。年商は過去4年下降線をたどり、2016年のそれは1億4830万ユーロまで落ちた。利益は同年320万ユーロで、7年の内5年は赤字だった。

中国史上最大の書家王羲之の子孫がオーナーであるFFCによる買収は、バカラの経営状態を読んだと結果だといえる。FFCはバカラ株1株につき222.70ユーロを支払うことで合意した。これは6月1日の終値259・90ユーロを14%下回る水準。バカラ株は同日までに、身売り観測を手掛かりに過去2週間で約19%値上がりしていたのだ。FFCは約10%の公開株も上場廃止しないことを条件に同じ価格で売却するよう呼びかける。

FFCは声明の中で、「今回の買収によって、バカラはアジア、中東など発展途上国への事業拡大を含む戦略的な国際的計画および既存の先進国特に北米での持続的成長を加速することができる」(NYT)と述べている。

バカラは日本でも愛され人気があり、皇室もバカラを注文しているそうだ。バカラファンでなくても、今回の買収はショッキングなニュースである。(長瀬雄壱 フリージャーナリスト、元大手通信社記者)

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最終更新:6/5(月) 6:30
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