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世界卓球界に衝撃 張本智和の成長を前女子代表監督はどう見た

6/5(月) 12:11配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 負けはしたが、強敵を本気にさせた。

 2回戦でリオ五輪銅メダルの水谷隼(世界6位)を破るなど快進撃を続けた13歳の張本智和(同69位)は現地4日(日本時間5日未明)に行われた準々決勝で、世界ランク3位でリオ五輪団体金の許キン(中国)に1―4で敗れた。丹羽孝希(同11位)も同2位の樊振東(中国)に1―4で負けた。日本勢は男子シングルスで79年平壌大会金の小野誠治以来のメダルはならなかった。

 張本の相手は中国のトップ3で元世界1位。戦前は完敗も予想された。しかし、第1セットは9―11で落とすも、3―8の劣勢から5連続ポイントで追いつく粘りを見せた。第2セットは終始張本のペース。サーブもよく、フォアのフリックでレシーブエースを奪うなど、そのたびに左手を突き上げ「チョレイ!」の声がこだまする。このセットは一度もリードを許さず11―6で取り返す。第3セットは6―11で取られるが、何度もノータッチでポイントを奪い、無表情の許キンは球を拾う際、険しい表情を見せる。迎えた第4セットの序盤、張本は0―3とリードを許す。そこから徐々にポイントを重ね6―9になったところで、中国はたまらずタイムアウトを要求。直後から、ポイントを取る許キンの声が大きくなり、目の色が変わった。

 結局張本は、手足の長い181センチのサウスポーに第4、第5セットも連取されベスト4入りは阻まれたものの、男女を通じて世界最年少のベスト8入りは世界の卓球界に衝撃を与えた。

 信じられないスピードで成長を続ける張本について、日本生命女子卓球部総監督の村上恭和氏(前卓球女子日本代表監督)がこう言う。

「13歳の中学生(2年)といっても、身長は171センチで筋肉もできている。小学生の時は背が低く、体が細かった。この2年で身長は20センチぐらい伸びたそうです。昨年から日本オリンピック委員会(JOC)が有望な中高校生を寄宿制で育成するエリートアカデミーにいますが、その前は両親が食事のことをかなり勉強されたようです。メンタルが強く、ラケットタッチが良くても、戦える体がないと世界のベスト8には入れません。2歳から卓球を始めたといっても、トップ競技に参加してからの時間は短い。それでも戦術のうまさ、勝負勘のよさは天才的です。15歳で世界選手権の代表になった水谷も、ソフトなラケットタッチと巧みなボールコントロールで確実に(卓球)台に入れてきた。張本も当時の水谷と同じです。水谷や丹羽、吉村(真晴)は気合が乗るまで少し時間がかかる。張本は瞬時に自らを燃え上がらせることができる。声を出し過ぎでマナーが悪いという声もありますが、あの闘争心は日本代表でナンバーワンです」

 両親は中国出身で元卓球選手。母親は元中国代表で、父は現在ジュニアの日本代表コーチ。

 卓球王国の牙城を崩すのは、中国系日本人の張本かもしれない。

▼張本のコメント
「チャンスはあったので悔しい。あと2、3年後は、もしかしたら勝てるかも知れないと思った」

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