ここから本文です

最善策なぜ打たぬ 屈辱10連敗の巨人“チグハグ采配”にOB苦言

6/5(月) 17:17配信

日刊ゲンダイDIGITAL

「巨人の不振は人災だと思う。負けるべくして負けている」

 巨人OBの評論家、高橋善正氏がこう言った。

巨人は宮崎キャンプでも“無気力”を指摘されていた

 4日のオリックス戦に敗れ、11年ぶりの10連敗を喫した巨人。相手の新人投手2人の前に、この日も打線が散発の4安打と沈黙した。

「選手というより、ベンチの責任が大きい。象徴的だったのは、2点ビハインドで迎えた八回の攻撃です。先頭の長野が安打で出塁すると、高橋由伸監督(42)は8番の実松の代打に脇谷、9番の投手の代打に相川を相次いで送った。ベンチにはスタメン落ちした阿部、亀井が控えていたにもかかわらず、です。代打の2人が凡退して得点機を逃すと、結局、最終回も阿部と亀井を使わないまま、試合を落とした。ゲームセットの瞬間を、ネクストバッターズサークルで迎えた阿部は、複雑だったと思う。切り札を持ちながら、出し惜しみ、カードを切らずに負ける。ベンチワークとしては最悪です。勝敗は結果論だが今の巨人ベンチは勝つための最善策を打っているとは思えません」(高橋氏)

■「ゲームプランがない」

 巨人の老川オーナーによれば、不甲斐ないチームの戦いぶりに読売新聞や球団には、ファンからの嘆きの声が届いているというが、それはOBも一緒だ。同じく巨人OBで評論家の中村稔氏も高橋氏の苦言に「まったく同感」と言って、2―3で逆転負けした1日の楽天戦を例に挙げる。

「好投していた初先発のルーキー池田(24=ヤマハ)を、巨人ベンチは5回無失点で降板させた。直後の六回にリリーフ陣が3点を失って逆転されたわけですが、今の巨人投手陣は八回のマシソンにつなぐまでの中継ぎに問題があることは分かり切っている。だったらせめて、まだ球数が98球だった池田をもう1イニング引っ張った方が勝つ確率は上がる。初先発ということで気遣ったのだろうが、なにも150球、160球を投げるわけじゃない。マウンドに上げた以上、過剰な配慮は必要ありません。育成ということを考えても、マイナスが大きい。巨人ベンチからしっかりとしたゲームプラン、勝負への執着心が感じられないから不安になるのです」

 同じ日、1点を追う九回無死一、二塁の好機で長野がど真ん中の直球に対してバントを空振り。飛び出した二塁走者が刺され、絶好機をフイにした。空振りした長野の致命的なミスだが……。

「私に言わせれば、あれもベンチのミス。長野はもともとバントがうまくない。難しい一、二塁のバントはより成功率が低くなる。送らせて勝負をかけるというのなら、長野よりバント成功の確率が高い打者を代打に送るべき。勝つための最善策というのはそういうことです。高橋監督には一事が万事、勝負に対する厳しさが希薄に映る」(中村氏)

■球団ワースト記録に「マジック1」

 高橋監督は指導者経験がほとんどないまま監督になった。経験が浅く、しかも、選手時代から「優柔不断で決断力に欠ける性格」と言われた。それは、原前監督も自著「選手たちを動かした勇気の手紙」(幻冬舎)で《高橋由が無責任な男だとは思っていない。しかし、優柔不断なところもあり、どこかで逃げ道を作るようなところがある。言い方を変えれば、責任感が強すぎるから、自分で判断しないのかもしれない》《野球人として重要な『走攻守』のすべての資質を兼ね備えている。(中略)あとはどんな時にも逃げずに自分で判断し、堂々と戦える男になってほしい》と書いている。

「経験の浅い指揮官を支えるコーチ陣にも問題ありということでしょう。巨人のチーム打率はリーグ最下位の.235。選手任せではなかなか得点につながらないわけだから、狙い球を徹底させ、走者が出ればベンチがゲームを動かして、チーム単位で相手を攻略しなくてはいけない。にもかかわらず、この日のオリックス戦でも、選手がなにを狙って打っているのかまるで分からない。淡々と凡打を重ねているだけです」(前出の高橋氏)

「今の巨人コーチ陣は、村田ヘッド、二岡打撃担当、村田バッテリー担当の3人以外は全員外様です。物言えば唇寒しとばかりに、高橋監督に進言し、苦言を呈す人間がいないのではないか。チグハグな采配を見ているとそんな疑念すら抱きたくなります」(前出の中村氏)

 巨人の球団連敗記録は75年の「11」。長嶋監督が率いたこの年、巨人は後にも先にも例がない最下位に終わっている。

スポーツナビ 野球情報