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CL決勝を日本代表の基準に…ハリル「超人とは思わないでほしい。練習しかない」

6/5(月) 6:25配信

GOAL

8日間に及ぶ海外組の先行合宿を終えた指揮官は、満足そうな表情でトレーニングを振り返った。

5月28日に千葉県内でスタートした日本代表の海外組合宿。ヨーロッパのシーズンを終えた選手が徐々に加わっていき、最終日には計14人(浅野拓磨/シュトゥットガルトは右アキレス腱痛のため練習回避)という大所帯に。最終日となった5日はボールを使ったサーキットトレーニングやミニゲームを行い、約1時間半のメニューをこなした。

長いシーズンを戦い抜いた選手たちは走り込みを含めた負荷の高いトレーニングに「キツい」と漏らしていたものの、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督にとっては想定内。一見するとフィジカルを厳しく追い込んでいたように思われたが、指揮官が今回の海外組合宿でテーマに置いたのは「リ・ジェネレーション」というトレーニングで、「心肺機能と肺循環機能を少し目覚めさせるもの」だという。その中で「乳酸閾値(強度の高い運動をし続けられる血中数値の限界値)をIからIIに上げるためのトライをしている。だから、これはフィジカルトレーニングという部類にはまだ入らない」と説明した。

とはいえ、選手によってコンディションが異なるのも事実。2015年3月の指揮官就任から3度目の海外組合宿となるだけに、「本当にいろいろな疲労を抱えている」とハリルホジッチ監督も彼らが置かれた状況をしっかりと把握しており、参加人数が増えていく中で出場時間に応じて負荷を調整したという。海外組合宿の最終日、浅野は前日に続いて右アキレス腱痛の治療に専念したものの、右足首にケガを抱えていた乾貴士(エイバル)は合宿途中に状況を見ながら回復を優先させ、最終日にフルメニューを消化できたのはポジティブな一面と言っていい。トレーニング後にはグラウンドに集まった約300人の子供たちと触れ合う機会が設けられ、選手たちは厳しい練習後にもかかわらず笑顔でハイタッチやサインに応じるなど、海外組合宿打ち上げの雰囲気に包まれた。

また、日本時間の5日早朝に行われたUEFAチャンピオンズリーグ決勝について聞かれた指揮官は、ここで日本代表を引き合いに出しながら持論を展開する。

7日にキリンチャレンジカップ2017で対戦するシリアを分析するため、午前1時頃までオマーンとの親善試合を見ていたというハリルホジッチ監督。その後はいったん寝てしまい、ユヴェントスとレアル・マドリーのキックオフ前後に目覚めたものの、「一瞬だけ見て寝ました」と話し、フルマッチは「今日の夜、ディナーのあとに見ます」と話した。

その上で今回の決勝について「みんなに見てほしい試合。インテンシティ、デュエル、リズム、パワー。一番いいレッスンです。我々の基準はあそこにある。あの段階まで持っていこうとしている」と日本代表の目標とすべきレベルを提示し、選手たちに求めるものを明らかにした。

「(CL決勝に出場していたのは)もちろん能力のある選手たちですが、彼らはトレーニングをしっかりしているということ。残念ながらアジアのチャンピオンズリーグとは異なるレベルにあります。そこへ到達するためには、本当にトレーニングしかない。彼らを“超人”とは思わないでほしい。日本人には能力があります。U-20ワールドカップを見ていても、やはり能力ある選手はいる。ただ、フィジカルの強い選手にセットプレーでやられてしまう。少し細かい部分になりますが、それが現実です。選手たちはまず『一人のアスリートであれ』と言いたい。ジャンプ力、高さ、スピード。現代フットボールのすべての要求に応えられる選手になってほしい。“フィジカル”と言っても、全員が『身長2メートルになれ』と言っているわけではありません。メッシは背が低くてもアスリート。パワーもあります。誰かが彼を転ぶようにトライしたとしても、彼は転ばないですよね」

日本代表は充実のトレーニングを終えた海外組に明治安田生命J1リーグを戦った国内組が合流し、6日からメンバー全員が顔をそろえて本格的な活動をスタートさせる。世界最高峰のサッカーを目にしたハリルホジッチ監督は、さらに意欲的な姿勢で代表チームの強化に臨むことになることだろう。ロシア行きの切符を懸けて進化を続けるハリルジャパンは、7日に行われるシリア戦(東京スタジアム)をステップに、13日の2018 FIFAワールドカップ ロシア アジア最終予選のイラク戦(テヘラン/イラン)へと向かう。

取材・文=青山知雄

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最終更新:6/5(月) 6:25
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