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バティスタは第2の“神ってる鈴木”になれる!!

6/5(月) 13:27配信

デイリースポーツ

 セの首位を死守する緒方広島に、またミラクルな戦力が加わった。その名はサビエル・バティスタ。ドミニカのカープアカデミー出身で、15年秋に練習生として来日した育成選手だったが、2日に念願の支配下選手契約を結んだ。そして翌3日に1軍に登録され、いきなり緒方監督ら1軍首脳陣はおろか、世間の度肝を抜く大仕事をやってのけた。

【写真】カープアカデミー出身のバティスタ 2軍で打率・363&14発

 2軍で打率・363、14本塁打、38打点(5日現在)の好成績を残していた25歳のドミニカンは、1軍に合流した3日のロッテ2回戦(マツダ)でまず名刺代わりの一発をぶちかます。3-4の1点ビハインドで迎えた六回裏。無死二塁の場面で代打を告げられた。相手投手は左腕・松永。この打席を見つめていた広島OBの野球評論家・横山竜士氏は驚いた口調でこう話す。

 「いくら2軍でいい成績を残してきたとはいえ、1軍での初打席は緊張するもの。ところがあの打席のバティスタは見た目にも冷静でした。ボール球に手を出さず、自分が打てる球をジッと待ってましたね。普通なら『打ちたい、打ちたい』という気持ちが強く出てボール球でも何でも追いかけるんですが…。あの姿を見て『もしかして』と思いました」

 外国人選手にありがちな悪癖を一切見せず、低めの変化球を見逃し、好球だけを狙い澄ましてバットを一閃。148キロの真っ直ぐを1軍初スイングで見事にバックスクリーン右に運んだ。連敗中で、なおかつリードされている悪いムードを一変させた逆転2ラン。プロ初打席の代打本塁打は史上15人目で外国人選手初の快挙だった。「あんな衝撃的なデビューをしてくれるなんて…」とコメントした緒方監督の期待を大きく上回る“驚弾”は、昨年の交流戦で大ブレイクし、現在4番に座る“神ってる”鈴木の活躍を彷彿とさせてくれた。

 翌4日の3回戦でも2試合連続の代打弾を放つ離れ業をやってのけたB砲。これはリーグ初の快挙で、パ・リーグでは1984年の村上信一(阪急)がいるのみ。初打席初本塁打からの2打席連続本塁打は75年の山村善則(太平洋)を含めて3人目となった。衝撃的という形容詞すら陳腐に思えるミラクルぶりだが、前述の横山氏は、この活躍の裏には本人のたゆまぬ努力があるという。

 「キャンプでも日本人の若手選手に交じって早出特打や特守などで一生懸命汗を流してました。2軍の首脳陣が日本人を差し置いてまで彼ともう一人の育成選手・メヒアを試合で使い続けてきたのは、底知れない素質と練習熱心なその姿勢を高く買っているからです。日本でジックリと育ててきた選手だけに、見ているファンもたまらないでしょうね」

 昨年は鈴木がこの交流戦でブレイクし、25年ぶりのリーグ制覇へ一気に突き進んだ。今年はバティスタが連覇への期待を担う。6日からは札幌で日本ハム、週末は仙台に移動して目下パ・リーグ首位を快走する楽天と対戦する。指名打者制がある両球場での6連戦だけに、バティスタのスタメン起用も十分あり得る。問題は1軍の一線級右腕にどう対応するかだが、横山氏は「対応可能」とジャッジする。

 「あの2連発は他の球団に相当強烈なインパクトを与えたと思います。今後はインサイドに厳しい攻めをされるに違いありません。ただ、あの2打席の内容がすごくいいので、期待の方が大きいですよ。ボール球の変化球を見逃せる“選球眼”があり、甘い球を一発で仕留める能力を持ち合わせてますから」

 バティスタ本人が「チャンスだと思っている。いいパフォーマンスを見せたい」と意気込むように、チームにとってもこの敵地6連戦はペナント独走に持ち込む大きなチャンスである。昨年の日本一軍団・日本ハムは現在借金8の5位に低迷。首位の楽天も先週末の中日戦で負け越しを食らっている。1差で追ってくる2位阪神を突き放すためにも、この6連戦が大きなヤマ場。“17年度版神ってる男”B砲の勢いに乗り、ここは一気に突っ走りたい。(デイリースポーツ・中村正直)

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