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乳がんに立ち向かう大手医療機器メーカー、OECD最低レベルの検診率向上へ

6/5(月) 20:35配信

投信1

投信1編集部による本記事の注目点

 ・ 過去20年間の日本人の乳がん罹患率、死亡率、働き盛りの年齢層(40~59歳)での罹患率は、いずれも2倍超へと急増しています。
 ・ 乳がん検診の受診率は、欧米の70~80%に対し、日本人は30%台と、OECD加盟30カ国で最低レベルです。
 ・ 日本人を含むアジア人では高濃度乳腺が8割に達しますが、マンモグラフィーのX線では高濃度乳腺により乳房全体の撮像が白色となり、同じく白く写るがんが疑われるしこりと重なって読影が困難となっています。
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過去20年間の日本人の乳がん罹患率、死亡率、働き盛りの年齢層(40~59歳)での罹患率は、いずれも2倍超へと急増しているが、乳がん検診の受診率は、欧米の70~80%に対し、日本人は30%台と、OECD加盟30カ国で最低レベルである。GEヘルスケア、シーメンス、日立製作所といった大手医療機器メーカーが様々な活動や研究開発を進めている。

低い検診率に加え、日本人を含むアジア人は高濃度乳腺が8割にも達し、マンモグラフィーのX線では高濃度乳腺により乳房全体の撮像が白色となり、同じく白く写るがんが疑われるしこりと重なって読影が困難となる。ちなみに高濃度乳腺の認知度は、2015年7月のGEヘルスケアの調査では、米国の48%を筆頭に、各国は30%超、日本はわずか1%である。

GEヘルスケア・ジャパン(株)(東京都日野市)とメットライフ生命保険は、協業を通じて日本の女性を応援するため、低い乳がん検診率および高濃度乳腺の認知度という現状に対し、女性や全国約2000の乳がん検診実施医療機関を対象に、一昨年から検診啓発活動を開始した。

超音波診断は施行者依存性の解消を

乳がん診療ガイドライン2015では、50歳以上または40歳代に対してのマンモグラフィー検診は、推奨グレードがAからBへと引き下げられた。これは、過去30年間にわたるマンモグラフィーの検診データで、治療不要の非湿潤がんの発見率が上がった(過剰診断)が、進行性のがんの発見率はほとんど変化がないことが背景にある。

米国では、高濃度乳腺の女性に対しマンモグラフィーの乳腺濃度を知らせる法律を制定する州が相次ぎ、超音波診断に対する保険料の法律を制定する州も増えている。日本ではマンモグラフィーで陽性の場合、次の検査で超音波を受けるが、厚生労働省では、がん戦略研究J-STARTにおいて、乳がん検診における超音波検査の有効性を検証するための比較試験を行っている。

国内の乳がん治療で有名な、さがらブレストピアヘルスケアグループ乳腺科部長、NPO法人乳がん画像診断ネットワーク理事長の戸﨑光宏氏は、GEヘルスケア・ジャパン主催のセミナーで、超音波を乳がん検診に用いる際の課題として、施行者(検査技師など)依存性の少ない「乳腺自動超音波装置」を挙げた。台湾の旧U-System社が開発し、シーメンスが販売した1代目の「ABVS」、その後GEヘルスケアがU-System社を買収し販売する2代目の「ABUS」の、困難な精度管理を自動化するアイデアに期待を寄せている。

さらに戸崎氏は、マンモグラフィーの新技術トモシンセシス(3D)について、報酬の上乗せはないものの、海外のデータが良いため(国内データは無い)、14年のC1グレードからいずれBグレードとなるとの見通しを示した。

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最終更新:6/5(月) 20:35
投信1