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北海道 経済損失1169億円 1次産業以外4割 TPP12影響試算貿易交渉に“警鐘”

6/5(月) 7:01配信

日本農業新聞

 北海道地域農業研究所は、環太平洋連携協定(TPP)が米国を含む12カ国で発効した場合の、道産農林水産物の生産減による道内経済全体の損失額を1169億円と試算した。影響は運輸など他産業に及び、1次産業以外で全体の4割を占めた。同研究所は「EU(欧州連合)とのEPA(経済連携協定)などの交渉は、TPPの合意がベースになる可能性がある。農業に与える影響をきちんと把握する必要がある」と指摘する。

 調査は2015年10月のTPP大筋合意を受けて、16年度の自主研究として同研究所が実施。北海商科大学大学院の阿部秀明教授らが行った。

 TPPによる農林水産物の生産減少は、北海道が試算した最大598億円と仮定。これを前提に、道内各産業への影響を算出したところ、農林水産業以外の産業の生産減少額は139億円となった。これに、企業の減収や従業員による消費の落ち込みなども含めると、1次産業での損失額は725億円。2次産業は151億円、3次産業では293億円に上った。

 2次産業では食料品製造業、3次産業では商業や運輸・サービス業への影響が大きいと見込まれる。阿部教授は「特に北海道は、運輸業で大量の農畜産物を扱うなど、農業の関連産業が多い。TPPは、農畜産業だけの問題ではないことを訴えたい」と強調する。

 これとは別に道外にも損失が出ると指摘した。北海道の農林水産物の生産が減ることで、関東地方を中心に、道産を利用する食品産業などで317億円のマイナスを見込んだ。同研究所は「農林水産業の生産減が経済に大きな影響を与える」と他の貿易交渉にも警鐘を鳴らす。

日本農業新聞

最終更新:6/5(月) 7:01
日本農業新聞