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高炉大手、厚板ヒモ付き値上げ交渉本格化。造船・建機など5000~1万円

6/5(月) 6:01配信

鉄鋼新聞

 国内・海外の鉄鋼メーカーが生産販売する品種のうち、厚板事業の収益低迷が目立つ中、国内高炉大手で国内厚板ヒモ付き価格の値上げ交渉を本格化する動きが出始めた。5月連休明けから建機メーカーなどに価格改善を申し入れたのに続き、最大向け先となる造船メーカーへも値上げ交渉を本格化する。前年度下期の原料価格高騰を受けたコストアップの未転嫁分や事業継続のためのマージン(スプレッド)改善を含めてトン5千~1万円の価格改定を申し入れる。

 厚板は輸出採算の悪化も顕著となっており、韓国造船メーカー向けの値上げ交渉も進めたい意向を持つ。1~6月までで一定額の価格改善は進んだが、再生産可能な水準には達していない。高炉大手の中には7~12月期を対象にトン50~100ドルの値上げを提示し、数量を追わずに価格重視の姿勢を鮮明にする動きがある。
 供給サイド面では、今年1月に火災事故が発生して休止中の新日鉄住金大分製鉄所の厚板ミルが、計画を前倒しして8月上旬に操業を再開するめどが付いた。今年後半にかけて供給体制は正常化する見通しだ。
 需要面では建機向けが堅調。排ガス規制前の駆け込み需要もあって前年を上回る水準に増加。建機メーカーは軒並みフル生産で活況だ。
 造船は、2~2・5年の受注残がある日本造船メーカーの新たな受注は進んでいないものの、足元で一定の仕事量は維持している。一方で、受注残の少ない韓国造船メーカーは低船価ながら今年に入って受注を重ねており「商談が動き始めており、市場に変化が出ている」(関係筋)という。
 海外の高炉メーカーも、厚板事業の採算は極めて低迷。日本ミルと対照的な“好決算“の韓国ポスコや中国・宝武鋼鉄も、関係者が明らかにしたところによると品種別損益で厚板は赤字に落ち込んでいる。

最終更新:6/5(月) 6:01
鉄鋼新聞