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赤米神事で「お亭坊」6年ぶり復活 対馬・豆酘の国選択無形民俗文化財 「伝統絶やさぬよう修業」

6/5(月) 12:17配信

長崎新聞

 稲作伝来の地とされる長崎県対馬市厳原町豆酘(つつ)の「赤米神田(あかごめしんでん)」で4日、赤米の田植えがあった。神事をつかさどる神職「お亭坊(ていぼう)」が6年ぶりに復活し、地域住民らが古式にのっとって赤米を育む土や水に感謝の祈りをささげた。

 豆酘では古代米をご神体とする「赤米神事」(国選択無形民俗文化財)が受け継がれ、年間10回ほど神事がある。神事は「頭仲間(とうなかま)」と呼ばれる住民が毎年交代で続けていたが、経済的負担や農業離れなどで脱退が続き、2007年からは主藤公敏(すとうきみとし)さん(66)だけが頭仲間として継承。読経や祝詞奏上で神事を成り立たせるお亭坊も、主藤さんが12年から担っていた。

 新たにお亭坊を務めるのは、主藤さんのいとこ権藤勝己さん(63)。豆酘で素潜り漁をしており、40代から赤米神事に携わってきた。ただお亭坊の所作は学んだことがなく、昨年、主藤さんから「伝統を受け継ぐために」と請われ、読経などの修業を始めた。

 4日は、田植え前に水路にしめ縄を張り読経。田の水口に山海の幸への感謝を示すカヤ、ヨモギ、ワカメ、梅干しをささげ、神酒を注いで地域の豊作豊漁を祈った。

 主藤さんは「みんなの協力で無事、田植えができた。お亭坊の存在は神事存続に向けた力になる」、権藤さんは「互いに助け合って米を作り漁をしてきたのが豆酘の土地柄。伝統を絶やさないよう心を込めて修業に励みたい」と語った。

長崎新聞社

最終更新:6/5(月) 12:17
長崎新聞