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「国際ペン」が共謀罪に反対声明 浅田次郎さん「心強いが、恥ずかしい」

6/5(月) 20:08配信

カナロコ by 神奈川新聞

【時代の正体取材班=田崎 基】表現の自由を擁護する世界的組織「国際ペン」のジェニファー・クレメント会長は5日、いわゆる「共謀罪法案」の立法に反対する議決をするよう国会に強く求める声明を発表した。異例の声明に、作家で日本ペンクラブの浅田次郎会長は同日の記者会見で「国家として恥ずかしい。必要のない法律であって、廃案にすべき」と強調した。

【詳報】浅田会長らの見解と声明全文

 日本向けの声明は2013年に成立した「特定秘密保護法」に次いで戦後2例目という。原文は英文で同日、公表された。

 声明は、「日本政府の意図を厳しい目で注視している」と指摘。立法化されれば「日本の表現の自由とプライバシーの権利を脅かすものとなるだろう」「日本国民の基本的な自由を深く侵害することになる」と強い懸念を表明している。

 国際ペンは5月31日から3日間の会期でノルウェーで開催した委員会で日本の共謀罪についても議論し、緊急的に「会長声明」として警鐘を鳴らすことを決めたという。

 浅田会長は「こうした声明が緊急的に出されたことを心強く思うと同時に、本来は外国から指摘を受けるようなことがあってはならない、恥ずかしいことだ。ペンの精神の根幹に関わる問題でもあり、看過すれば言論が封殺されてしまう」と危機感をあらわにした。

 「島崎藤村が日本ペンクラブの会長だった時代、つまり80年前にも同じ議論がなされていた。この法律は日本の歴史の退行だ」と廃案を求めた。

 国際ペンは1921年に設立された国際組織で、100以上の国と地域に計149のセンター(支部)を擁する。日本ペンクラブはセンターの一つ。ジェニファー・クレメント会長はメキシコ出身の作家で、国際ペン初の女性会長として2015年に就任した。(田崎 基)