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大阪ではんなり、なにわの美人画展

6/5(月) 17:00配信

Lmaga.jp

明治から昭和初期に活躍し、大阪画壇のリーダー的存在だった北野恒富(1880~1947)。大阪で初めて彼の画業を展観する回顧展『没後70年 北野恒富展 なにわの美人図鑑』が、6月6日から「あべのハルカス美術館」(大阪市阿倍野区)でおこなわれます。

【写真】北野恒富《いとさんこいさん》昭和11年(1936)京都市美術館蔵(あべのハルカス美術館、6月6日から)

石川県金沢市で生まれ育った北野は、画家を志して17歳のときに大阪にやって来ました。新聞小説の挿絵を描きながら研鑽を積んだ彼は、明治末には日本画家としての評価を確立します。初期の作品は濃密かつ退廃的な雰囲気を漂わせており、「画壇の悪魔派」と呼ばれました。しかし、徐々に内面性を重視した作風へと移行し、晩年にはモダンな感覚を秘めた「はんなり」の境地に達します。

また彼は、画塾「白耀社」で島成園や中村貞以など多くの門下生を育てたほか、大阪美術協会をはじめとする美術家の組織作りでも活躍し、大阪画壇の形成に大きな役割を果たしました。本展では、初期から晩年に渡る代表作を展観して、北野恒富の画業を振り返ります。また、門下生たちの作品も紹介し、近代大阪画壇の豊饒な世界が見られます。今の大阪人が忘れてしまったかもしれない、モダンで文化的で情緒豊かだった戦前までの「大阪」。その真髄を、北野の作品から感じ取ってください。

文/小吹隆文(美術ライター)

最終更新:6/5(月) 17:00
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