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米労働市場、勢い失う-5月雇用統計がトレンド裏付け

6/5(月) 13:14配信

Bloomberg

5月の米雇用統計が予想よりも弱い内容となった理由は数多いが、全体像は明確だ。それは米労働市場が多少活力を失ったということだ。

5月の非農業部門雇用者数の伸びが予想に届かず、3、4両月の数字が下方修正されたことで、年初来の同雇用者数の伸びは月平均16万2000人と、2016年のペース(18万7000人)をやや下回った。失業率は4.3%と16年ぶりの低水準に改善したが、生産年齢人口に占める就業者の比率である就業率も低下した。予想されたような賃金上昇率の加速も見られず、年率の伸びは過去の景気拡大局面を下回っている。

5月特有の季節調整上の問題を含め、データにはさまざまな注意すべき点があり、エコノミストは米金融当局が今月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げに踏み切る方針に変更はないと依然予想する。だが5月の数値はアナリストが予測してきた広範なトレンドと、解決されぬままの難題の双方を示している。このうち前者は、米国が完全雇用に近づく中で、高技能と経験を持つ労働者を企業が見つけるのが難しくなっている現状などを指し、後者には賃金の伸び悩みが挙げられる。

PNCファイナンシャル・サービシズ・グループ(ピッツバーグ)のシニア経済アドバイザー、スチュアート・ホフマン氏は「雇用の伸びに多少の減速が見られるのは明らかだ。私個人としては、雇用統計の数字は弱いというよりも軟調と考える。理由の一端は労働者不足であるが、需要鈍化も一因だ」とし、「賃金がより急速、より大幅に上昇する兆候もまだ見られない」と語った。

採用ペースの広範な鈍化はアナリストの多くの予想に沿ったものだ。その背景には現行の米景気拡大が丸8年となり、労働市場のスラック(たるみ)の吸収が一段と進んできたことが挙げられる。ホフマン氏は今年の非農業部門雇用者数の伸びが月平均15万-16万人のペースに鈍化すると予想。それでも労働力の伸びに歩調を合わせるのに必要とされる数値を上回るものだ。

原題:U.S. Jobs Weakness May Be Temporary, But Loss of Momentum Isn’t(抜粋)

Sho Chandra, Patricia Laya

最終更新:6/5(月) 13:14
Bloomberg