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背中をかじって!? 服がきもい!?『誤解されやすい方言小辞典』が面白い

6/5(月) 23:17配信

Webマガジン コロカル

コロカルニュースvol.2107

地方出身者なら誰もがある、「まさか方言だとは思わなかった……!?」という体験。当然のように発した表現に、「えっ!?」と言われてしまったり。

【写真で見る】収録されているのは「誤解されやすい方言」181語。イラストをまじえて解説

共通語と同じ語形だけど、共通語では使われている意味とはちょっと違う。そんな言葉を集めた書籍『東京のきつねが大阪でたぬきにばける 誤解されやすい方言小辞典』が、辞書でおなじみの三省堂から出版されました。

その代表が、「たぬき」。東京では、うどんでもそばでも、揚げ玉(天かす)が乗っているものは「たぬき」です。ところが、大阪で “たぬきそば” をたのむと、甘辛く煮た油揚げをのせたものがでてきます! 東京では「きつね」と呼ばれるものが、大阪では「たぬき」と呼ばれているんです。

その理由は、もともと大阪では甘辛く煮た油揚げをのせたうどんを「きつね」と呼んでいたのですが、大阪の食文化ではうどんが標準。そこに標準から外れたそばを使ったことで、「たぬきに化けた」ととらえられたのでした。

東京では具の違いですが、大阪ではうどんとそばの違いになるんですね。さらにおとなり京都では、「たぬき」はさらに違って、あんかけうどんの上に刻んだ油揚げが乗ったものなのでした……。

いっぽう、“かじる”という言葉。共通語の「かじる」は「かたいものの一部を、少しずつ歯でかんでけずりとる」ということですが、山梨や長野・静岡の一部では「背中をかじる」「頭をかじる」などのように「かゆいところをかく」の意味で使われます。“背中かじって”と言われたらちょっとびっくりしちゃいますね。

ほかにも、青森・秋田・岩手などで「ながめる」は「伸ばす」という意味もあり、「足、ながめれ」というのは、「足をくずしてくつろいでください」との意味を込めた心遣いの言葉です。

また、「今夜はだいてやる(奢ってやる)から、好きなだけ飲め!」(富山)や、「この服、少しきもい(小さい)ので、別の持ってきてもらえますか」(愛知・岐阜など)など、共通語と同じ語形なのにまったく意味が異なる、ものすごく誤解されやすい言葉たちも!

本書に収録されているのは、「誤解されやすい方言」181語。イラストをまじえ、古典や文豪の用例なども引用し、詳しく解説しています。

information
『東京のきつねが大阪でたぬきにばける 誤解されやすい方言小辞典』
著者:篠崎晃一
本体価格:1,300円(税別)
Web:三省堂


writer profile
Akiko Saito
齋藤あきこ
さいとう・あきこ●宮城県出身。図書館司書を志していたが、“これからはインターネットが来る”と神の啓示を受けて上京。青山ブックセンター六本木店書店員などを経て現在フリーランスのライター/エディター。

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