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初開催のkintone hive Fukuokaは業務改善のタネが満載

6/6(火) 7:00配信

アスキー

初開催のサイボウズの「kintone hive Fukuoka」では地元企業が数多く登壇した。
サイボウズ主催、主役はユーザー。それがkintone hiveだ。これまで東京、大阪等で開催されてきたが、今年の春は名古屋、福岡にも開催地を広げた。九州に初めて上陸したkintone hive Fukuokaでは、これまで発表の場に参加するのが難しかった九州の地場企業からの発表が並んだ。サイボウズのオフィスとは違う雰囲気の中、どのような発表が行われたのか。今回の記事では概略をお届けしたい。
 
九州開催を待ち望んでくれていた100名を超える参加者に囲まれスタート
 kintone hive Fukuokaの会場となったのは、複合施設アクロス福岡内の円形ホール。小規模なコンサートや演劇の舞台にでも使われそうな、小洒落た雰囲気の会場だ。大きくはない会場だったが、100名を超える参加者でほぼ満席状態だった。
 

 kintone hive Fukuokaのロゴには、博多どんたくをイメージした和服で踊る女性と、にわかせんぺいのロゴがあしらわれていた。サイボウズ的には、これが福岡のイメージということらしい。にわかせんぺいのロゴは、にわかせんぺい本舗 東雲堂に許可を得た上で使わせてもらったということだが、東雲堂ではkintoneはまだ使われていないらしい。せっかくロゴでご縁ができたことだし、東雲堂さんもkintone仲間になってくれるといいなと、いち参加者として感じたところだ。
 
kintoneのメリットだけではなく社内への広め方にも言及する2セッション
 導入事例セッションはダイワの高田 直哉氏、ニシム電子工業の原田 陽介氏の順で進んだ。
 
 この2セッションで共通していたのは、kintoneの機能よりも、それによって何を改善したかったのか、それをどのように社内に浸透させていったのかというノウハウが語られたこと。業務のシステム化は、社内の抵抗が課題になることが多い。現場に浸透させる手法について悩んでいる参加者にとっては参考になる2セッションだったのではないだろうか。
 
 2人に続いて登壇したのは、キャップドゥの森田 晃貴さん。トヨタレンタリースからSalesforce.com導入のコンサルタントに転身、国会議員秘書を経て現職という経歴を持つ。
 
 Salesforce.comを熟知している森田さんは、当然システム選定時にもSalesforce.comとの比較を行なっている。比較した際、求める機能をkintoneで組んでみたところ、初月の無料期間内に組み上げることができたという。その使いやすさ、そして、キャップドゥが求めるシステム要件下でのコストの差が決定打となり、kintone採用に至ったとのこと。
 
「kintoneはシンプルだけど奥が深い、料理に例えるならニラ玉みたいなシステムです。シンプルで誰でも使える、でもカスタマイズで深く使い込むこともできます」(森田さん)
 
5分でアピールするkintone hack前半には、社労士界のITウィザードが登場!
 kintone hiveにはkintone hackという短時間のプレゼンタイムがある。いわゆるLTで、5分間で言いたいことを言い放つ。1番手はジョイゾーの山下 竜さん。「kintoneトレンドキーワードと実践事例」と題して、最近実際に実装した事例を紹介してくれた。意外だったのが、地図連携を最近初めて実装したという話。技術的には難しくないのだが、Google Mapのライセンス料が安くないため、実装事例はすくないらしい。
 
 2番手として登壇したのは、ITウィザード社労士を名乗る香原 慎一郎さん。社労士はわかる。ITウィザードも、なんとなくわかる。が、このワードが組み合わさったのはみたことがない。もうこれだけで興味津々だ。しかも、社労士の一般的な主業務である社会保険の手続き業務や給与計算は一切やらないらしい。業界異端児の登場に、おらワクワクすっぞ。異端児の話は面白いことが多いもんな。
 
「kintoneをこよなく愛し、業務効率化を目指して人事コンサルティングを行なう社労士です」(香原氏)
 
 香原氏からは、人事面から見たkintoneの活用方法が紹介された。企業として社員を雇うと最低限必要な書面が3つある。応募者名簿と雇用契約書、賃金台帳だ。中小規模の企業では名簿や雇用契約書はたいていWordかExcelで作られていることが多いが、これらをkintoneに置き換えることを勧めているという。香原さんがお勧めする使い方は、サイボウズスタートアップスが提供する「プリントクリエイター」と連携させ、さらに雇用契約書にQRコードを印刷すること。
 
「雇用契約書にQRコードを印刷して、社長や既存社員からのウェルカムメッセージ動画を表示させたり、入社してすぐ知っておくべき業務のマニュアルをダウンロードさせたり、いろいろな使い方ができます」(香原さん)
 
 私はこの話を聞いてとっさに、個性的な経営者の方々の顔がいくつか浮かび、「雇用契約書のQRコードをスマホで読み込んで、あの人やあの人からのメッセージ動画が出て来たら確かに面白いし、歓迎されている気分になるだろうな」と考えた。誰を想像したかは、秘密だ。
 
15時定時退社の実現例まで飛び出した後半セッション
 休憩を挟んで後半、4番バッターとしてステージに立ったのは、公益社団法人九州ヒューマンメディア創造センターの糸川 郁己氏。北九州市が推進するe-PORT構想2.0でいかにしてクラウドの重要性に気づき、kintoneを活用してきたかを語った。
 
 そして最後のプレゼンターは、井上総合印刷の井上 憲一郎さん。井上総合印刷ではkintoneをはじめ複数のクラウドを組み合わせて使うことで、業務の付加価値を高めるとともに業務の効率化を実現。15時定時退社や子連れ出社を可能にし、育児と業務の両立を実現しているという。
 
イベント最後はあの人がkintoneに飴と鞭を!
 メインイベントの最後には、さらに2本のKintone hackが用意されていた。登壇したのは、kintoneエバンジェリストでもあるAISICの久米 純矢さんと、アールスリーインスティテュートの金春 利幸氏だ。
 
 久米さんは、ソニーから発売されているIoTタグ「MESH」を使った事例が紹介された。ハウス農家さん向けの温湿度記録システムで、入手の容易な機器とkintoneの組み合わせで手軽に構築できることを示した。
 
 トリを飾った金春さんは、「kintoneがユーザーと共に成長していくためには、便利なところを褒めるだけではダメ。飴と鞭が必要」と語り、kintoneに感じる「微妙なポイント4つ」を挙げた。
 
 1つ目は、コメント欄が邪魔だということ。入力した情報にコメントを付加できるのはkintoneの利点のひとつでもあるが、すべてのアプリでコメントが必要な訳ではない。にも関わらず必ずコメント欄が表示されるのは邪魔だというのだ。コメント欄が不要なアプリでは、コメント欄が閉じた状態をデフォルトとしたい。2つ目は、必須項目がわかりにくいということ。Kintoneアプリでは入力必須項目に赤い米印が表示されるが、「さりげなすぎて気づかない」と指摘。3つ目としては、アプリの入力画面が縦長になりすぎて、どのアプリを見ていたのかわからなくなるという課題を挙げた。
 
「そして4つ目はこちら。入力項目として数字を指定すると、半角数字しか受け付けてくれなくなります。けど全角でも数字は数字やんか」(金春さん)
 
 そして、これら4つの「微妙」を解決するために、gusuku孫の手プラグインを開発したと発表。コメント欄が不要なアプリでは、自動的にコメント欄を閉じた状態に。入力必須項目は項目名自体を赤い太文字で表示し、見落としにくく。またアプリ名を常に画面上部に固定表示することでアプリ迷子をなくし、全角数字は自動的に半角化して入力してくれるようになる。
 
「これを、hiveで配布します! フリーアカウントを含むgusukuユーザーは、本日から無償でこれらのプラグインを誰でもダウンロード可能です」(金春さん)
 
 kintoneのカスタマイズといえばこの人、という金春さんの「hiveで配布」で盛り上がったところでkintone hive Fukuokaは終了。参加者は懇親会へと移動し、kintoneを話題に交流を深めたのだった。
 
 
文● 重森大

最終更新:6/7(水) 20:27
アスキー