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「なんでも電子書籍でいいのか?」 文学フリマが百年後も愛される理由「Amazonどんなに便利でも…」

6/9(金) 7:00配信

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 電子書籍が浸透する中、紙だけでなくTシャツや下着など、様々な「物」で文学を形にする人たちがいます。年に数回、各地で開かれる「文学フリマ」では、小説や短歌、評論など、プロアマ問わず作者自身が出店者となって作品を販売します。ピースの又吉直樹さんの『火花』を生むきっかけとなった「文学フリマ」。事務局代表の望月倫彦さんは「なんでも電子書籍にすればいいというものではない」と語ります。(朝日新聞編集センター記者・河原夏季)

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既成の文壇の枠にとらわれない場をつくる

文学フリマは、評論家・大塚英志さんの呼びかけで2002年に1回目が開かれました。

「既成の文壇や文芸誌の枠にとらわれず『文学』を発表できる場を提供し、作り手と読者が直接コミュニケートできる場をつくる」。そんな思いから始まりました。

GW最終日の5月7日(日)、「第二十四回文学フリマ東京」が開かれました。

会場の東京流通センター(東京都大田区)には、1階と2階あわせて770のブースが並び、小説、詩、短歌、評論、写真集、旅行記、マンガなど多岐にわたる作品が出品されました。

この日は出店者、来場者あわせて約3500人が訪れました。

電子書籍時代、「物」にこだわる人々

自分の作品を届けたい人、新しい表現を求める人の熱気で会場はあふれていました。

あくまで「物」にこだわる表現者たち。一方で時代は電子書籍の流れが加速し、スマホで何でもすませる人が増えています。

そんな状況について、代表の望月さんはどう受け止めているのでしょうか。聞いてみました。

詩集や句集の電子書籍「それは作品として同じもの?」

――パンツやTシャツ、たくさんの表現方法がありました

「電子書籍が広がる中で、見過ごされている一つのテーマじゃないかなと思っています」

「例えば、詩集や句集を電子書籍にしたとき、それは作品として同じものなのでしょうか。テキストデータになって改行の位置や行間がかわり、ページの概念がなくなったときに、デザインされた詩集や句集、いろんなとじ方で作られたものと同じ作品と言えるのかという問題があると思います」

「電子書籍は新しい表現方法だと思うので、いろんな実験をするのはよいと思いますが、なんでも電子書籍にすればいいというものではないと思います」


――新たな才能を発掘する場にもなっていますね

「なるべくしてなったと思っています。文学フリマの名前が良い具合に知られて、でも陳腐化していない。文学フリマで話題になったというのが、『好事家(こうずか)が認めた』というような響きになってきていると思っていました」

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最終更新:6/9(金) 7:00
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