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米国はなぜパリ協定から離脱するの? その影響は?

6/6(火) 16:30配信

THE PAGE

 トランプ米大統領は1日、地球温暖化対策の国際枠組みである「パリ協定」から離脱すると表明しました。パリ協定とはどのようなもので、米国はなぜ離脱するのでしょうか。

パリ協定ってどんなもの?

 パリ協定は、2015年12月に気候変動枠組条約の会議(COP21)で採択された地球温暖化対策に関する枠組みです。地球の気温上昇を産業革命前に比べて、2度より低く抑えるという具体的な数値目標が盛り込まれたほか、1.5度未満に抑えるように努力することも併せて明記されました。米国など主要国が批准したことで2016年11月4日に正式に発効、日本は少し遅れて11月8日に批准しています。

 一度、批准していながら、米国がパリ協定を離脱するのは、トランプ大統領が選挙公約として協定離脱を掲げていたからです。米国内では地球温暖化対策の実施は、米国経済にとって不利になるという考え方が根強くあります。今回の決断についても、協定賛成派と反対派との間で相当な議論となりましたが、トランプ氏が公約実現を最優先して押し切った格好です。

 パリ協定の数値目標を実現するためには、今世紀後半に世界全体で温室効果ガスの排出を実質ゼロにする必要があります。そうなってくると、化石燃料の消費を抑制し、再生可能エネルギーの比率を増やしていかなければなりません。

どうして米国が離脱? どんな影響があるの?

 米国はサウジアラビアを抜いて世界最大の産油国(日量)となっており、安価なエネルギーを大量に消費できる環境にあります。パリ協定が存在していると、こうした米国のメリットを100%享受できなくなりますから、産業界の一部は協定に反対してきたわけです。

 主要国の中で一人当たりの温室効果ガス排出量がもっとも多い米国が離脱するということになると、せっかく構築した国際的な枠組みが水の泡となってしまいます。

 しかし一部からは、今回の協定離脱による影響はほとんどないと指摘する声もあります。協定では温室効果ガスの削減目標提出が義務付けられていますが、あくまで目標でしかなく、その水準は各国の自主性に任されています。

 理屈の上では、削減目標を守る必要はまったくないということになります。仮に米国が協定に残っていたとしても、高い削減目標を米国が守る保証はなかったわけです。

 とはいえ、全世界的な枠組みの中から米国が抜けてしまうことは、大きな痛手です。パリ協定が持つ力は、以前と比較すると確実にダウンしてしまうでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:6/11(日) 6:06
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