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ビールにバターと6月から値上げ続々、デフレ脱却急ぎたい政府の意向背景に

6/7(水) 11:30配信

THE PAGE

 6月に入って、様々なモノやサービスの値段が上がっています。消費者にとっては手痛い状況ですが、何が起こっているのでしょうか。

何が値上がりしたの?

 何と言っても大きいのがビールの値段です。ビールの店頭価格は今年に入って1割程度上昇しています。その理由は6月から新しい酒税法と酒類業組合法が施行され、事実上、ビールの安値販売が禁止されてしまったからです。これまでビール業界では、メーカーが販売店に多額の販売奨励金を出すことで、販促キャンペーンを行うのが当たり前でした。量販店などで激安ビールが目玉商品として並んでいたのはこうした仕組みがあるからです。

 また日本郵便がはがきの郵便料金を52円から62円に引き上げたほか、食品メーカーはバターの価格を引き上げました。電力会社や都市ガス各社も、6月から電気料金やガス料金を引き上げたほか、今年に入ってガソリン価格もかなり上昇しています。

デフレ脱却を急ぎたい政府の意向が背景に

 一連の値上げには、実はある共通項が存在しています。それはデフレ脱却を急ぎたい政府の意向です。ビールの安値販売規制は、影響を受けている小規模な酒屋からの強い要望で実現しましたが、物価を上げたい政府の方針に合致していたことからスムーズに法改正が進みました。

 またバターが品薄なのは、日本においてバターは政府による管理貿易となっており、自由に輸入することができない仕組みだからです。需要に応じて柔軟に仕入れることができず、品薄が続いているというわけです。

 ガソリン価格の上昇にも政府の意向が大きく働いています。国内では製油所の設備が余っており、ガソリンなど石油製品は余剰気味といわれてきました。このままでは石油元売業界が疲弊してしまうため、政府が合併などによる合理化を強く業界に対して要望し、JXホールディングスと東燃ゼネラル石油は経営統合を実施。出光興産と昭和シェル石油も合併に向けた協議を続けています。ガソリン価格が上がっているのは、合併によって供給が絞られたことが大きな要因となっています。

 はがきの値上げや電気料金の値上げについても、公的な要素が強く、競合がいない業界ですから、値上げしやすいという面があることは否定できないでしょう。

 物価の上昇はデフレ脱却につながりますが、その分だけ賃金が上がらないと生活水準は下がってしまいます。今年の春闘でどれだけの賃上げが実施されるのかによって、財布の紐の状況は変わりそうです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:6/12(月) 6:02
THE PAGE

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