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【ベトナム】フック首相、TPP・市場経済化に意欲

6/6(火) 11:30配信

NNA

 訪日中のグエン・スアン・フック首相は5日、東京都内で講演し、米国抜きの環太平洋連携協定(TPP)の発効に意欲を示した。また、TPPの成否に関わらず、日本を含む外国企業の考えや資本を積極的に導入しながら、世界経済への統合を果たし、ベトナムの市場経済化を加速させたいと述べた。
 日本貿易振興機構(ジェトロ)などが主催した「ベトナム投資カンファレンス」にはベトナムから100社の随行団を含め、日越の約1,200人が参加した。
 ■TPP11の検討指示
 昨年から政権運営を行うフック首相は、「引き続き市場経済を整備し、国内総生産(GDP)6.5~6.7%の高度成長を維持しながら、マクロ経済の安定を保証し、日本企業の進出を呼び込みたい」と述べた。
 米国が離脱を表明したTPPのあるなしにかかわらず、国営企業の民営化や外資企業による合併・買収(M&A)の加速、出資規制緩和、企業統治の透明性確保を進めると強調。市場経済を加速させ、競争力を付けることで、経済統合に備えるとした。参加する関係諸国の中でも特に日本と連携する。米国抜きの「TPP11」の実現に向けた検討を既にベトナム国内でも指示したという。
 ベトナムで就労する外国人に来年1月から社会保険負担が義務付けられる。カンファレンスでは日本企業側から、「日本人駐在員は日越の二重支払いになり、企業の負担が大きい」として見直しをベトナム側に要請した。これについてフック首相は、「合理的なことは聞く耳がある。発展のためには我々は動くことを忘れないでほしい」と述べ、何らかの対応を行うことを示唆した。
 ■高専整備、裾野産業は人材育成から
 カンファレンスには、グエン・チー・ズン計画投資相、チャン・トゥアン・アイン商工相も同席した。
 裾野産業が未成熟なベトナムだが、ズン計投相は、「ベトナム企業の事業規模が小さく、技術や資金、ガバナンスが足りず、裾野産業は厳しい状況だ」と述べた。
 一方で、人材育成の面で、日本の高等専門学校のような制度を導入する考えを示した。人材としては、昨年開学した日越大学や来日している技能実習生の帰国も期待できるとした。
 ■自動車発展、地場と外資の合弁で
 アイン商工相は、裾野産業が未成熟なため、部品関税も引き下げ、越企業の完成車の競争力を強化すると述べた。また、外資企業との連携を通じて、国内産業を強化するほか、エコカー生産の優遇も付与するという。
 地場自動車メーカーの競争力を高めるという観点から、外資との合弁も奨励する。マツダと地場チュオンハイ自動車(Thaco)、韓国の現代自動車と地場タインコン・グループの協業について、今後優遇が付与されると説明した。
 ■日越36事業立ち会い
 フック首相の立ち会いの下、36案件の投資認可証付与や投資を検討する覚書締結が交わされた。イオンのハノイ市ハドンやハイフォン市での事業、エイチ・アイ・エス(HIS)のカインホア省カムランでのホテル事業、中日本高速道路(NEXCO中日本)の有料道路事業、住友商事がBOT(建設、運営、譲渡)方式で行うカインホア省バンフォンでの火力発電所事業などだ。
 カンファレンスの最後には安倍晋三首相も訪れてあいさつ。日越が連携しながらTPP11や東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の実現を目指し、自由貿易圏を構築することを強調した。

最終更新:6/6(火) 11:30
NNA