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出場者ら技磨きに奮闘 迫るアビリンピック静岡県大会

6/6(火) 8:20配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 県障害者差別解消推進条例が4月に施行され、厚生労働省が民間企業の障害者雇用割合の引き上げ方針を固めるなど、障害を乗り越えて頑張る人を応援しようという機運が高まっている。技能の高みを目指す障害者が躍動する全国障害者技能競技大会(アビリンピック)の静岡県大会が17日、静岡市葵区で開かれる。今年は104人が出場を予定する。

 「自分の力が認められ、励みになった」。静岡市清水区の障害者就労支援施設のパート従業員で、軽度の知的障害がある岡村奈津実さん(25)は声を弾ませる。2016年県大会ビルクリーニング部門で最優秀賞。初出場した高校2年の時から成績に浮き沈みはあったが、目標を持つことで集中力が養われた。

 今回は応援に回るが、「貪欲さと土壇場で諦めない心で挑んでほしい」と後輩たちにアドバイスする。

 富士市の旭化成アビリティ富士営業所は社員32人中29人が障害者で、望月康秀さん(23)ら約10人が県大会出場を予定。軽度の知的障害とアスペルガー症候群がある望月さんは幼い頃からのパソコン好きが職業に結びつき、県大会データベース部門に12年から5回連続出場し、最優秀賞に3度輝いた。

 毎回、県大会の1カ月前になると業務終了後に1人で1時間ほど特訓に励む。孤独な戦いだが「今後の仕事に役立つよう、最優秀賞を目指して頑張る」とキーボードをたたく。

 上司で、自身も県大会出場予定の石島亮さん(48)は「望月君は真面目で仕事も特訓もこつこつと取り組み、駅伝など会社の行事への参加も積極的。他の社員とともに、皆でアビリンピックを盛り上げたい」と意気込む。

 20年東京五輪・パラリンピックを前に、スポーツ分野が注目される一方、障害者の就労面は依然、理解が十分とは言えない。高齢・障害・求職者雇用支援機構本部雇用推進課の荒川賢一業務係長は「アビリンピックで奮闘する選手の姿を見て、各分野で優れた技能を持った人が身近で働いていることを多くの人に知ってほしい」と話す。



 <メモ>高齢・障害・求職者雇用支援機構の本部(千葉市)によると、県内でのアビリンピックの知名度は職業訓練校を中心に上がってきている。県大会の競技者数は10年間で約2倍に増え、2017年の競技種目数は13種目と、過去10年で最多となる。県大会は同機構静岡支部と県が主催する。

静岡新聞社