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「鬼平犯科帳」50周年 女性ファン増加で再ブームの兆し

6/6(火) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 あの「鬼平犯科帳」が誕生50周年だそうだ。小説でスタートした鬼平は、テレビドラマ、映画、漫画を経て今年初めてアニメ化され、この春に放映された。先日、それを記念して東京ソラマチで行われた「鬼平展」をのぞいてみると……。

 平日の夜7時ごろだったが、中年男性より30代、40代の女性の姿が目立った。原作者の池波正太郎の直筆生原稿の展示コーナーより、脇役たちが勢ぞろいのアニメ原画・設定画の展示コーナーに人がたまっていたのは、やはり“アニメ版鬼平”放映の影響か。アニメのコンテや台本を食い入るように見つめる女性も多かった。

 江戸時代が大好きで、歴ドルとして知られる堀口茉純さんが言う。

「私も展示を見学しましたが、確かに女性が多かった。従来の鬼平ファンに加えてアニメファンが足を運んだためでしょう。アニメには人気声優が起用されていて、台本のコーナーなどに女性が多かったのもきっとそのせい。鬼平に限らず、時代小説人気は女性の間で着実に高まっています。私の歴史スポット巡りのイベントでもアラフォー女性グループが増えましたし、若い世代でも“シバ女”はけっこういるんですよ」

 シバ女とは、堀口さんが勝手にそう呼んでいる“司馬遼太郎ファンの女性”のことだそうだ。

「オール読物」で「鬼平犯科帳」の連載が始まったのは、1968年の1月号から。以来、実に50年。火付盗賊改方を率いる鬼平こと、長谷川平蔵の人情味あふれるセリフにうなずき、指揮官として素早い決断で組織を動かす姿にうなったサラリーマンは少なくない。

 ドラマでは中村吉右衛門のカッコ良さが印象的だが、50歳以上の中年世代はやはり文庫本の方がなじみが深いか。

「久栄はな、今も昔もいい女よ……。これからもずっと、オレが女よ」

 セリフひとつ見ただけで、再び読みたくなる魅力がある。梅雨の前に一冊、手に取ってみるか。