ここから本文です

メダルラッシュの世界卓球で露見した高すぎる“中国の壁”

6/6(火) 12:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 壁はブ厚かった。

 5日、世界卓球の女子ダブルス準決勝に登場した伊藤美誠(16)、早田ひな(16)。中国ペアに3セットを連取された後、1セットをもぎ取るのが精いっぱい。超高速ラリーに力負けし、16歳ペアは銅メダルに終わった。

 それでも日本にとってこの種目は16年ぶりのメダルとあって、メディアは大騒ぎ。女子シングルス(平野美宇)の銅、男子ダブルス(森薗政崇、大島祐哉)の銀、混合ダブルス(吉村真晴、石川佳純)の金は、いずれも同種目48年ぶりの快挙だと大々的に報じた。

 しかし、ここで見逃してはいけないのは、一度も「中国の壁」を越えていないということだ。男子シングルス準々決勝で13歳の張本智和が負けた相手は中国の許キン(27=世界ランキング3位)。同じく準々決勝で丹羽孝希が負けた相手も中国の樊振東(20=同2位)。男子ダブルス決勝で日本ペアの前に立ちはだかったのもこの2人だった。女子シングルスも、石川が準々決勝で敗れたのも、平野が準決勝で負けたのも中国の丁寧(26=同1位)。今回のダブルスも丁寧と劉詩雯(26=2位)のペアだった。

「快挙の金メダル」と沸き立つ混合ダブルスは、中国ペアが不出場(他国とのペアでは2組出場)。中国がこの種目を「捨てた」のは、現段階で五輪種目ではなく、中国が金メダルを独占すると批判が高まるからだ。

■平野美宇でも「金の実力ない」

 中国へ留学したり、中国の指導者を呼んだり、近年の日本卓球界はますます「中国化」が進んでいるが、中国に近づくことはできても、追い付き追い抜くことはできない。平野を指導するJOCエリートアカデミーの中澤鋭コーチも日刊ゲンダイのインタビューで「正直、中国との差はまだ結構ある。金メダルを取る実力はない」と断言。試合中の戦術を組み立てる早さやパワーに、スピードでも、まだまだかなわないことが今大会であらためて分かった。

 日本のメダルラッシュは、東京五輪への夢を膨らますどころか、厳しい現実を突き付けられることになった。