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ブロックチェーンを用いた電力取引、エナリスが検討開始

6/6(火) 11:45配信

スマートジャパン

■個人間の余剰電力取引やネガワット取引も

 エナリスは2017年5月、ブロックチェーン技術を活用した電力サービスの提供開始に向けて検討を開始したと発表した。ブロックチェーンは仮想通貨(ビットコイン)の中核技術として広く知られており、二者間の取引を効率的に検証可能な方法で記録できる分散台帳である。

【エナリスが2017年3月に中期経営計画で発表したプラットフォーム「でんきがプラスワン」の概要】

 これまでの中央管理型データベースは、1つの管理者が取引情報を集約・管理し、管理者を通して取引が実行されていた。ブロックチェーンでは、取引の当事者同士が直接取引情報をやりとりし、その取引情報を複数の台帳で記録。データを1か所に集めずに分散することで、データ改ざんを防止し、情報システムが止まりにくい特長を持つ。

 個人間の安全な取引を可能にする技術として注目され、海外では電力データをブロックチェーンに記録し、電力取引に活用する試みが既に始まっているという。

 エナリスは、日本のブロックチェーンスタートアップであるソラミツが開発を進める「Hyperledger Iroha(以下、Iroha)」の電力領域におけるパートナーとなった。Irohaはブロックチェーンのオープンソースソフトウェアで、ブロックチェーン技術普及に向けた共同研究プロジェクト「Hyperledger」に受諾されている。これはIBMの「Fablic」とIntelの「Sawtooth Lake」に続き、世界で3番目のことだ。

 エナリスによると、Irohaのブロックチェーン技術はデジタル決済や契約管理、サプライチェーンマネジメントなどに当事者間で対応することを可能にする。例えば小売電気事業者間で台帳を共有することにより、事業者間での取引や複雑な精算を、低コストかつ容易な手続きでセキュアにできることが想定される。将来的には個人間の余剰電力取引やネガワット取引も、ブロックチェーン技術の活用で可能だろうとする。

 エナリスでは2017年3月に発表した中期経営計画で、「でんきがプラスワン(仮称)」を今後の新しいプラットフォームとして発表した。VPP(バーチャルパワープラント)やIoT(モノのインターネット)などを活用したサービスを提供する予定。ブロックチェーンを活用したサービスをその1つで、小売電気事業者への提供を想定している。

 「再生可能エネルギーや個人が創出する電力を有効に活用できる分散型エネルギー社会への移行に貢献し、個人が自由に電力取引できる社会の実現を目指す」(エナリス)