ここから本文です

則本を2ケタ奪三振日本記録更新のステージまで引き上げた、気持ちの強さと努力

6/6(火) 17:46配信

スポーツ報知

 首を3回振って勝負球を決めた。楽天・則本昂大(26)の投じた140キロのフォークボールに坂本勇のバットが空を切った。1日の巨人戦で奪った10個目の三振にスタンドは歓喜の渦に包まれた。プロ野球史上初の7試合連続2ケタ奪三振の達成だ。マウンドに立つエースは表情を崩すことなく、続くマギー、阿部も三振に打ち取ると、最後に天を仰いで拳をつきあげた。

 現在、防御率2・86、7勝(1敗)奪三振数は90。勝利を呼び込む投球は13年に日本一になったシーズンの田中将大(ヤンキース)の姿と重なる。「たくさん三振を奪えばいいとも思っていない。状況次第で、ここぞというときに狙ってとりたい」と本人はチームの勝利が大事と強調するが、勝負どころで三振を奪うエースの姿は後ろを守るナインにとっても、試合を見るファンにとっても頼もしさを感じるものだ。三振を奪ったときに時折見せる熱いガッツポーズや雄たけびがファインダー越しに撮影する私たちの心も奮わせてくれる。

 記録達成の鬼門は、5試合連続がかかった盛岡(5月17日・岩手県営球場)での日本ハム戦だった。初回、中田に3ラン、大田に2ランを浴びていきなり5失点。16年シーズンにも盛岡で登板し、4回10失点KOと苦い思い出が蘇る立ち上がりだった。しかし、絶好調の楽天打線がエースを強力援護する。2回に6点を奪って逆転。日が沈み、深い青色に染まる空の下、ゆっくりと3回のマウンドへ向かう背番号14の背中からあふれ出る闘志が伝わってきた。則本は「逆転してくれたので、ここでちゃんとした投球をしないと野手の皆さんに申し訳ない。気合を入れ直しました」と、終わってみれば7回5失点12奪三振と逆境を跳ね返し白星をあげた。

 中学3年からプロ入りまで則本が通っていたキムラ野球塾(滋賀県)で指導した塾長の小寺学さん(36)は、「出会った頃は体格的にも飛び抜けたものがあったわけではないが、野球道具を持つとスイッチが入る。闘志をむき出しにして練習、試合に臨む本当に負けず嫌いな性格でした。気持ちの強さと努力が彼を高いステージまで引き上げてくれた。まだまだ進化してくれると思います」と話す。身長は178センチとプロ野球選手の中では大きいとは言えないが、躍動感あふれるダイナミックなフォームから放たれる力強いボールの迫力はトップクラス。球界を代表する選手になり、さらに成長を続ける教え子の記録達成を球場で見届けた小寺さんは目を細めた。

 日米通算201勝のレジェンド・野茂英雄氏の記録(6試合連続2ケタ奪三振=91年)を塗り替え歴史に名を刻んだだけでなく、首位を突き進む楽天を引っ張るエース。その先にはリーグ優勝、日本一、輝かしい個人タイトルが待っている。剛腕のドクターKが海を渡った大エースの系譜を継いでいく。次の先発は8日のDeNA戦(コボパーク宮城)。さらなる記録更新に期待が高まる。(記者コラム 写真部・小林泰斗)

最終更新:6/6(火) 21:05
スポーツ報知

スポーツナビ 野球情報

MLB 日本人選手出場試合6/26(月) 23:20