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どれだけ悪かった? 5月米雇用統計の内容とは

6/6(火) 14:10配信

投信1

5月の米雇用統計は事前予想に届かったものの、米株式市場は最高値を更新するなどポジティブな反応となりました。ただ、債券市場にも買いが集まり、ドルも下落するなど、景気の先行きに対して自信を持てる内容でもなかったようです。

そこで今回は、米5月雇用統計の結果を整理し、株高・債券高・ドル安という、ちょっと微妙な結果を招いた背景と米金融政策への影響を探ってみました。

雇用者数は増勢鈍化のトレンドへと回帰

5月米雇用統計のポイントは雇用者数と賃金の伸びがともに減速していることを確認できた点にありそうです。

雇用者数の増加を年次で見ると、2014年の25.0万人(月平均)をピークに、2015年は22.6万人、2016年は18.7万人でした。この傾向を維持した場合、2017年は13.0万人から15.0万人程度となることが見込まれます。このトレンドに従うなら、年初の20万人弱から年末には10万人程度へと増勢が鈍化することになりそうです。

ただ、4月までは3月以外は20万人超の増加となり、このトレンドから上振れていました。それが、5月の雇用統計で5月分が13.8万人増に落ち着いたこと、さらに3月、4月分も下方修正されたことから、5月までの3カ月平均は12.1万人増となりました。

この数字は2014年以降での最小値となっており、ここ数年の低下トレンドへの回帰を示していると言えるでしょう。

賃金の伸びも失速

5月は賃金の伸びが鈍化していることも確認されています。2014年に2.0%程度だった賃金の伸び(前年比)は、2015年末には2.5%、2016年末には3.0%近くへと緩やかながらも着実に拡大していましたが、5月は2.5%と4月から横ばいとなりました。

賃金の伸びは物価との連動性が強いと考えられており、インフレ率も同様に弱含んでいます。4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.2%上昇と2月の2.7%上昇から2カ月連続で伸び率が低下、変動の激しいエネルギーと食品を除くコア指数も4月は1.9%上昇と3カ月連続での低下となり、2015年10月以来、1年半ぶりに2.0%を下回っています。

インフレ率は景気の力強さを示唆している面もありますので、物価が弱いと景気が力強さを欠いている恐れがあります。

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最終更新:6/6(火) 14:10
投信1