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エントリーシートの確認時間を7割短縮!新卒採用に導入されたAIの実力

6/6(火) 6:30配信

ホウドウキョク

ソフトバンクは5月29日から、新卒採用選考のエントリーシートの評価にIBMの人工知能「ワトソン」の活用を始めた。
ワトソンが評価するのは2018年4月入社志望者で、総合職のエントリーシートのうち5月中旬以降に提出されたものだという。

5月30日放送の「ホウドウキョク×FLAG7」を動画で見る

人事担当者が評価した1500人分のデータを基に合否を判断

ワトソンには人事担当者が評価済みのデータを1500程度、学習させていて、これを基に合否を判断する。
ただ、ワトソンの中身はブラックボックスのため、採用基準は明示されていない。

正しく評価されるのか、疑問も残るが、ワトソンの評価に満たなかったエントリーシートは人事担当者が内容を確認し、合否の最終判断を行う。

エントリーシートの確認にかかる時間を75%短縮

ソフトバンクがワトソンの導入を決めた理由のひとつが「時間短縮」。
エントリーシートには2つの設問があり、このうちの1つがワトソンの評価対象となる。
ワトソンが評価する設問に人事担当者がかけていた時間は1年間で約680時間だったのが、ワトソンの導入により、これが約170時間になると見込んでいる。

1500人分のデータでは複雑な判断はできないはず

松葉信彦(ギズモード・ジャパン編集長)
ワトソンって人工知能って言っているんですけど、本質的には人間の判断の手助けとなる支援システムみたいなかたちなので、正しい使い方のひとつなのかなとは思います。

佐々木俊尚
AIって結構難しくて、(ワトソンは)「機械学習」っていうAIのアプローチを使っているんだと思うんですね。
機械学習が何かって言うと、一番分かりやすいのは、Gmailとかのメールソフトを使っていると、勝手に迷惑メールを排除してくれるじゃないですか。あれって、迷惑メールかどうかっていうのをその都度、Googleの人が判断しているわけではない。

たとえば、過去にGmailを使っている人が迷惑メールラベルを付けて、ゴミ箱に入れるでしょ。それを全部集めていると、何万、何十万、何百万と、これは迷惑メールですっていう判断をしたデータがあるわけじゃない。
それを全部、AIにぶち込むと、機械学習って言って、何を基準にするのかは分からないんだけれど、自動的にこういうものは迷惑メールだって勝手に判断してくれるわけ。

過去の迷惑メールっていろいろなパターンがあるわけですよね。それを全部、AIに教えてあげる。そこに新しい迷惑メールが現れましたと。この迷惑メールを誰かが作って、人間が迷惑メールかどうかの判断もしていないし、AIもまだ分からない。
それをAIにぶち込んで、これが迷惑メールなのかどうか判断してくれって頼むと、判断してくれるんです。

何が迷惑メールなのかっていう判断基準はAIの中の計算で行われているから分からないんだよね。だから、ワトソンもそうなの。人事担当者が見て、この人は合格、この人は不合格っていうデータを1500作って、これをAIに読み込ませる。
人事担当者はいろんな理由で合否を決めているわけでしょ。中には顔が気に食わないとか、太っているとか、どうでもいいものもあるかもしれない。ひょっとしたら、履歴書の文字が汚いとかね、細かいのはいろいろある。それら全てのルールをAIに覚えさせるのは無理なわけ。

ただし、膨大なデータを覚えさせると、AIの中で計算して、こういうのが合格なのね、こういうのが不合格なのねって勝手に判断してくれるようになるわけ。それが今回のワトソンがやっていること。

松葉
それで言うと、1500はちょっと少ないんじゃないかなって思います。なので、評価済みのデータも、かなり細かく評価したものを1500教えているのか…。そうじゃないと、複雑な判断はできないはずなので。

佐々木
「アルファ碁」とかの囲碁のAIは過去の棋譜だけでも何万とか何十万とかで、AI同士で対戦させて、その棋譜データが何千万とか、すごい数ですよね。普通はビッグデータをやらないと、正確な判断ができない。

松葉
なので、最終的には人間で合否を判断するっていうことは、ちゃんとやっているんだろうなっていう風には思うんですけど。

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