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52年前発見、化石は恐竜の卵 勝山・県立博鑑定で判明

6/6(火) 18:46配信

福井新聞ONLINE

 1965年に山口県下関市の白亜紀前期の地層で採取された卵状の化石が、恐竜の卵だったことを福井県立恐竜博物館(福井県勝山市)などが突き止め、5日発表した。これにより国内で初めて恐竜の化石が発見された年が13年間さかのぼる。卵殻が分厚く、構造もこれまで確認されていない複雑なもので、同博物館では「国内で知られていない種類。獣脚類の卵と似ている」と分析している。


 化石は当時高校生だった清水好晴さん(68)=神奈川県在住=と友人が、下関市の綾羅木(あやらぎ)川上流の関門層群下関亜層群(1億2千万~1億年前)の地層で見つけた。


 清水さんが昨春、自宅を整理していたところ化石片や当時の化石のスケッチ、写真などが出てきた。同博物館と福井県立大恐竜学研究所、美祢市化石館(山口県)が鑑定に当たり、卵殻の結晶構造が恐竜の化石特有のものだった。


 これまでは岩手県で78年に発見された竜脚類モシリュウの骨化石が日本初の恐竜化石とされていた。


 化石片は8点あり、丸みを帯びた殻の形状がはっきり確認できる。特徴的なのは卵殻の厚みと組織構造。国内で見つかっている9種類の恐竜の卵殻の厚みはいずれも1ミリ以下だが、この化石は3・7ミリある。そのほか卵殻断面にあり酸素などの出入り口となる気孔網が網状に複雑に分岐し、これも国内の恐竜卵化石にはない種類とした。海外の卵化石と比較すると、ティラノサウルスなど獣脚類のものと類似性があるという。


 県立恐竜博物館の今井拓哉研究職員は「福井や兵庫で見つかっている恐竜とは別種の恐竜が中国地方に存在し、産卵・営巣活動を行っていたことを裏付ける貴重な標本」と話している。


 清水さんは「発見した50年前は日本に恐竜は存在しないと言われていた時代。『もしかして恐竜の卵では』という少年時代の思いが正しかったことが証明され安堵(あんど)した」とコメントしている。


 卵の化石は同博物館特別展「恐竜の卵」(7月14日~10月15日)で公開される。

福井新聞社