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【MotoGPコラム】Moto3ムジェロで一時首位争い。ルーキー佐々木歩夢の”可能性”

6/6(火) 19:40配信

motorsport.com 日本版

 Moto3クラスの日本人ルーキー、佐々木歩夢(SIC Racing Team)が第6戦イタリアGPで8位入賞を果たした。

【写真】ライバルを従えて走る佐々木歩夢(71号車)

 2016年に日本人選手として初めてMotoGPルーキーズカップの年間総合優勝を達成した16歳の佐々木は、今シーズンから世界への挑戦を開始。その高い将来性に大きな期待が集まっている。開幕戦のカタールGPでは11位に入ってチャンピオンシップポイントを獲得したが、第2戦以降は20位や18位などポイント圏外のレースが続き、世界選手権の洗礼を受け続ける格好になった。

 シーズン第6戦の舞台はイタリアのムジェロサーキット。直線が長く、自然地形を活かした高低差と左右の切り返しが連続するレイアウトで、初経験のライダーには特に難易度が高いコースだ。土曜の予選を終えて、佐々木は25番手タイム。日曜の決勝レースは後方グリッドからのスタートになった。

「25番手というポジションは残念で、チームにも申し訳ない予選になってしまいましたが、バイクは今年で一番良いフィーリングです。明日の決勝は大集団になると思うので、トップグループについていき、レースでさらに新しいことを学びたいです」

 そう話す口ぶりからは、たしかに過去の5戦よりも良好な手応えを掴んでいる様子が窺えた。また、今回のレースウィークでは各セッションの取り組み方を見直すことで自分の改善点も見つかり、それが自信を深めることにも繋がっている、とも佐々木は述べた。

 全20周で争うMoto3クラス決勝は、日曜午前11時にスタートした。Moto3クラスのレースは、トップグループでも10台以上のバイクが入り乱れて大混戦になる場合が多いが、今回のは特にその激しさが際立った。

 佐々木はうまくスタートを決めて1周目で18番手へポジションを上げたものの、その後しばらくは集団の中で揉まれる展開が続いた。やがてレースも終盤に近づくと、大集団になっていたトップグループの混沌とした争いの中で佐々木はうまく順位を上げ、3番手に浮上した。最後は8位でゴール。予選のポジションや世界選手権初年度であることを考えれば、このリザルトは上出来と言っていいだろう。

「途中で一気に3番手まで上がったときには、リヤタイヤがキツかったのですが、『ここはもう辛抱するしかない』と思って前だけ見て走りました」

 初めてトップ争いに絡むことができた佐々木は、充実した表情でこの日のレースを振り返った。

「自分が望んでいたレースをやっとできた、という気持ちです。今回の週末では、レースに向き合う姿勢や気持ちの強さ、アグレッシブな戦い方などで他の選手たちに負けていた部分を改善できたので、大きいステップを踏めました。知らないコースでも8位で終われて、次のカタルーニャからは知っているコースが続くので、表彰台を目指して頑張っていきます」

 とはいえ、そう簡単に表彰台争いをさせてもらえるほど世界のレベルは甘くない。それは、序盤数戦に苦杯を舐めた佐々木自身も痛感しているだろう。だが、ここから先の数戦は、今後、上位陣の選手たちに肉薄していくための重要な学習の機会となるであろうこともまた、事実である。

西村章