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混戦の女子、マレーは風邪と不調の問題から復活か [全仏テニス]

6/6(火) 18:00配信

THE TENNIS DAILY

 フランス・パリで開催されている「全仏オープン」(5月28日~6月11日/クレーコート)の大会9日目。

世界1位のマレーが準々決勝に進出、次の錦織戦について「圭は動きがよく、両サイドから危険な選手」 [全仏オープン]

 女子シングルスのドローでの騒乱と、準々決勝の枠を埋める馴染みのない名前とは対照的に、男子シングルスのドローは、よりいつもの優勝候補という感じの名前が並んでいる。アンディ・マレー(イギリス)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、スタン・ワウリンカ(スイス)、そしてもちろん、ラファエル・ナダル(スペイン)だ。

 グランドスラム大会優勝歴3度、昨年の全仏の準優勝者である第1シードのマレー、獲得した3つのグランドスラム・タイトルの一角には2015年全仏もある第3シードのワウリンカは、ストレートの勝利で準々決勝進出を決めた。

 一方、女子シングルス4回戦の勝者のうち3人----第2シードのカロリーナ・プリスコバ(チェコ)、第3シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)、第5シードのエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)----は上位シードとはいえ、勝ち残った8人のプレーヤーの誰一人もが、一度もグランドスラム大会で優勝したことがない。そして、彼女たちの皆がそのことを自覚していた。

「皆がドローに誰が勝ち残っているか知っているわ」と、スビトリーナ。彼女は敗退まであと2ポイント、というところまで追い詰められながら挽回して、290位のペトラ・マルティッチ(クロアチア)に4-6 6-3 7-5で競り勝った。

「これは、大きなチャンスよ」とスビトリーナは言った。

 反対に、勝ち上がった男子選手たちのほうには、ずっと厚い経験とトロフィがある。

 ドローの上半分にはマレーとワウリンカがおり、下半分には第2シードのジョコビッチと、全仏での10度目のタイトルを狙っている第4シードのナダルがいる。彼らは各々あと1勝で、準決勝での壮観な対決をセットアップすることになる。

「トップ4のうちひとりが、ムスカテール(=仏近衛騎兵、全仏という意味で言っている)の優勝杯をつかむことになりそうだ」と、グランドスラム大会優勝歴7回の解説者、ジョン・マッケンローは言った。

 マッケンローはまた、自分は準決勝が世界1位対3位、2位対4位になるだろうと考えている、とも言い添えた。

 確かに今のところ、そんなふうには見えている。

 21歳のカレン・カチャノフ(ロシア)を6-3 6-4 6-4で倒した4回戦で、マレーは力を試されるような局面にほとんど遭遇しなかった。ワウリンカは第15シードのガエル・モンフィス(フランス)を7-5 7-6(7) 6-2で下す過程で、マレーよりほんの少し余計に問題を抱えた程度だった。

 マレーは準々決勝で第8シードの錦織圭(日清食品)と対戦する。錦織はスロー・スタートを克服し、0-6 6-4 6-4 6-0でフェルナンド・ベルダスコ(スペイン)を倒した。マレーの対錦織の対戦成績は8勝2敗となっている。

 一方、ワウリンカは、準々決勝の相手である第7シードのマリン・チリッチ(クロアチア)に11勝2敗の戦績を誇る。チリッチは、対戦相手のケビン・アンダーソン(南アフリカ)が左脚のハムストリングを故障してプレーをストップせざるを得なくなったとき、6-3 3-0でリードしていた。

 2014年全米オープンで錦織を抑えて優勝したチリッチは、グランドスラム・タイトルを獲るためには何が必要なのかを知っている。それゆえ彼は、やや楽に勝ち上がることができた事実に感謝している。この日の相手の棄権を別にしても、彼はここまで1セットも落としていなかった。

「大会の残り期間のことを考えると、これは僕にとって非常に大きなボーナスだ」とチリッチ。「メンタル的にも肉体的にも、僕はまったくエネルギーを消耗していない」。

 パリに到着したときのマレーは、風邪と、大会に先立つ薄弱な成績に対処しなければならず、好調とは口が裂けても言えない状態だった。しかし今、彼は調子を取り戻したように見える。

 そのほかの選手たちの文句の対象となっている旋風にもかなりうまく対処し、マレーはこの日、14本しかアンフォーストエラーをおかさずに、サービスの強いカチャノフに対して5度もブレークした。

「試合をするたびに、よりよいプレーができてきていると感じる。よりクリーンにボールを打てているし、ふさわしい瞬間にふさわしいショットを打てるようになり始めている」とマレー。彼は、ツアーレベルで650勝を挙げた15人目の選手となり、勝率では0.782%を誇っている。

「ここ10日ほどで格段によくなってきた」

 ワウリンカの最大の困難は、対モンフィス戦の序盤に自らの背中下部が硬くなってしまっていたことだった。

 ワウリンカは第2セットの途中でメディカル・タイムアウトをとり、コート脇にうつ伏せになってトレーナーによるマッサージを受けたが、その後は持ち前の片手打ちバックハンドを効果的に使い、よいプレーを見せた。

「前にも同じ経験があった。そう深刻には心配してないよ。プレーできなくなるわけではないし、いいプレーをすることを阻みはしないんだ」と、ワウリンカは背中の問題について言った。「コントロール下にある、と言っておくよ」。

 スビトリーナは、試合開始の30分ほど前に背中に生じた突然の痛みに対処しなければならず、パニックに陥ったとのちに明かした。それは彼女のプレーにも影響を与えた。しかし第3セット2-5からの自分のサービスゲームで0-30という劣勢に立たされたあと、彼女は、試合後に冗談ぽく『スビトリーナ・モード』と呼んだものに切り替え、そこから7-5とするまでの試合の残りではほとんどミスをおかさなかった。彼女は最後の24ポイントのうち20ポイントを勝ち取ったのである。

 スビトリーナは準々決勝で、2014年全仏準優勝者のハレプと対戦する。ハレプは第21シードのカルラ・スアレス ナバロ(スペイン)を6-1 6-1で退けた。そのほかの準々決勝では、プリスコバが第28シードのカロリーヌ・ガルシア(フランス)と対戦する。ガルシアはフランス人対決となった4回戦で、アリゼ・コルネ(フランス)を6-2 6-4で下して勝ち上がった。

 ところで『スビトリーナ・モード』とは、正確にはどのようなものなのだろうか。

「私はただ、ほとんどアンフォーストエラーをおかさない、この『ゾーン』とでもいうものに入り込もうと努めているのよ」とスビトリーナは言った。「そしてそうしつつ、同時にアグレッシブにプレーするの」。(C)AP (テニスマガジン/テニスデイリー)

Photo: PARIS, FRANCE - JUNE 05: Andy Murray of Great Britain smiles during the match against Karen Khachanov of Russia in their 4th round of the French Open tennis tournament at the Roland Garros stadium in Paris, France on June 05, 2017. (Photo by Mustafa Yalcin/Anadolu Agency/Getty Images)

最終更新:6/6(火) 18:00
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