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ブラジルGDP、9四半期ぶりプラス成長 「不況終わった」「喜ぶのは早い」評価分かれる

6/6(火) 4:55配信

サンパウロ新聞

 2015年第1四半期(1~3月)から8四半期連続という、国の歴史の中で最も長い期間にわたってマイナス成長を続けていたブラジルの経済が今年第1四半期にようやくプラス成長に転じた。ブラジル地理統計院(IBGE)の1日発表によると、17年第1四半期のブラジルの国内総生産(GDP)は前の期(16年第4四半期)に対して1.0%拡大した。ただし、16年第1四半期に対しては0.4%減、今年第1四半期までの4四半期累計は2.3%減と依然マイナスだ。伯メディアが同日付で伝えた。
 この結果により、ブラジルはようやくリセッション(景気後退)から脱したことになる。ミシェル・テメル大統領は同日、「リセッションは終わった! これは我々が採用した諸施策の結果だ」「ブラジルはプラス成長に戻った。そして諸々の改革によって今後さらに成長する」との喜びのコメントをソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に投稿。また、エンリケ・メイレレス財務相は同日発表の声明の中で、景気後退に陥ってから2年の後「ブラジルは100年間で最悪の不況を脱した」と述べ、この日を「歴史的な日」と評した。
 しかし多くのエコノミストは、結果は慎重に分析されなければならず、回復の明らかな兆候がすべての分野において見られていないことに加えて、この先の数カ月間についてのいくつかの疑問が依然として残り続けていることから、不況の終結を宣言するのは時期尚早だと考えている。エコノミストらによれば、景気回復のペースはいまだに不安定、不確実であり、その背景には、喜びのコメントを発したテメル大統領本人の不正関与疑惑に端を発する現在の政治的危機の影響がある。
 ピーターソン国際経済研究所(PIIE)の研究員であるエコノミスト、モニカ・デ・ボレ氏は喜ぶのはまだ早いとし、「メイレレス氏が言ったこととは反対に、今日という日に歴史的な意味など何もない。GDPのプラスの結果はトウモロコシの過去最高の収穫を記録した第一次産業に完全に起因しているものだからだ」「残り(の分野)はいまだに、やはり過去最大の収穫が反映されている輸出を除いて、生産側と需要側の両方ですべて赤の状態だ」と指摘する。
 また、コンサルティング会社テンデンシアス(Tendencias Consultoria Integrada)のパートナーであるエコノミスト、アレサンドラ・リベイロ氏は、2四半期続けてのマイナス成長という事実はリセッション入りを見極める際の唯一の兆候ではなく、2四半期連続でプラス成長したからといって景気後退から脱したと言うことはできないと指摘。判断を下すには「経済が健全な状態、そして反応しているかどうかを確認するために、諸々の指標を全体として見る必要がある」と主張する。
 ブラジル銀行連盟(Febraban)のチーフエコノミストを務め、世界銀行(WB)や国際通貨基金(IMF)をはじめとする国内外の金融機関などの顧問を歴任したエコノミストのロベルト・トロステル氏は、どう評価するかは比較のベースによって異なるとして、「前の期と比較した場合は(今年第1四半期の)GDPはプラス成長だ。しかし、前年同時期と比較した場合はいまだにマイナス成長だ」と指摘している。

GDPの伸び、穀物が引っ張る

 今年第1四半期には大豆とトウモロコシの記録的な収穫に引っ張られて、第一次産業のGDPが前の期に対して13.4%増と、ここ20年以上の間で最も大きな拡大を記録した。第二次産業の伸びは0.9%、第三次産業は横ばいだった。
 第一次産業の大幅な伸びについて、農牧食料供給省のネリ・ジェレル農業政策局長は「各データは我々が日常的に感じているものだ。(中略)結果はとりわけ新しいものではないが、非常に良い、祝福されるものだ」と述べ、喜ばしいことではあるが驚くことではないとしている。