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この美人はだれ!? 大阪で吉本芸人肖像展

6/6(火) 16:00配信

Lmaga.jp

1955年より大阪の街とポートレートを撮りはじた写真家・糸川燿史。彼が撮影した1990年代のお笑い芸人の写真展が、「10Wギャラリー」(テンワットギャラリー・大阪市中央区)で、6月18日までおこなわれています。

【写真】若かりし中川家や末成由美ら

糸川は、写真集『グッバイ・ザ・ディランⅡ』に代表される、1960年代末から70年代初頭の関西フォークを捉えた作品、映画『風の歌を聴け』のスチール(1981年)、大阪東京間を徒歩で歩いて撮影した写真集『パラダイス街道』(1994年、その後『東海道徒歩38日間ひとり旅』として文庫化)などで知られる写真家です。本展では、彼が1994年から99年にかけて『マンスリーよしもと』(吉本興業が発行のお笑い情報誌、2013年休刊)の表紙のために撮影した写真から、精選した約130点が展示されています。

会場には、千本松渡船場で渋く決めるチャンバラトリオ、取り壊される直前に住宅展示場として使われていた大阪球場にたたずむ末成由美、道頓堀が似合いすぎるチャーリー浜、若き日の中川家と海原やすよともこら、人気芸人たちが並ぶ。中には既に解散した漫才コンビや、今や失われてしまった風景も。当時を知る世代なら、テレビや舞台で彼らを見て笑いころげた記憶や、90年代の世相、流行、大阪の街並みが脳裏をよぎり、一時のノスタルジーに浸れるでしょう。

糸川にとっても大阪のお笑い芸人は身近な存在でしたが、「典型的な芸人の写真を撮る気はなかった」とのこと。当時彼は「大阪百景」と題した風景写真のシリーズを構想しており、『マンスリーよしもと』の依頼を受けた時に、大阪の風景とお笑い芸人の組み合わせを思いついたとのこと。いずれにせよ本作は、大阪でしか生まれ得ないポートレートの快作です。こんな機会は滅多にないので、お笑いファンと写真ファンはお見逃しなく。また、週末には糸川燿史とゲストのトークイベントも開催。こちらも必聴です。

取材・文・写真/小吹隆文(美術ライター)

最終更新:6/7(水) 15:51
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