ここから本文です

悪天候影響で尾根に接触か 立山の小型機墜落

6/6(火) 5:00配信

北日本新聞

 北アルプス・立山連峰の小型機墜落事故で、死亡した4人が乗った小型機は獅子岳(ししだけ)(2714メートル)の尾根に接触して墜落し、雪渓を滑り落ちた可能性があることが5日、専門家などへの取材で分かった。定員いっぱいの4人が搭乗し悪天候の中を飛行したため、「高度を維持できなかったのではないか」との指摘もある。

 小型機は3日午後、獅子岳山頂から南東へ約600メートル離れた標高約2300メートルの雪渓に墜落した。いずれも長野県在住の4人が乗った単発プロペラ機「セスナ172P」には3つの車輪があり、尾根付近から車輪の跡とみられる痕跡が数百メートルにわたって破損した機体へと続いていた。

 「高度が保てず、尾根に衝突した可能性がある」。航空評論家で危機管理に詳しい小林宏之さん(70)=千葉県=は言う。

 通常の天候であれば高度3千メートル程度を保つことができるが、悪天候でエンジンや翼に氷が付着すると、高度やスピードを維持することが困難になるという。4人が乗って機体が重くなったことに加え、霧で視界が奪われた可能性も指摘。「複数の要因が重なって尾根に衝突したと考えられる」と話す。

 航空機操縦の資格取得を支援する愛知県のNPO法人関係者も「この機種は馬力が強くないため、強風の中で成人男性4人が乗るのは危険」と強調する。墜落の要因について、尾根や山を越えた先では乱気流が発生することが多いとし、「尾根を越えた直後に乱気流で下に向かって押し流され、落下したのではないか」と話した。

 豊富産業(滑川市下梅沢)の航空機リサイクル調査室長で、38年の小型機操縦経験がある山川秀宏さん(59)=千葉県=は、機体前部の損傷が激しいことなどから「失速状態になり、機体の腹部が尾根に接触し、前部から滑り落ちた可能性もある」と推測した。

北日本新聞社

最終更新:6/6(火) 5:00
北日本新聞