ここから本文です

ロマン薫る万葉料理集 富山の割烹店主 経沢さん研究1冊に

6/6(火) 22:04配信

北日本新聞

 郷土史研究家で富山市千代田町の「割烹(かっぽう)まる十」店主の経沢信弘さん(57)が、越中国守で万葉歌人の大伴家持が詠んだ当時の食材を使い、味の再現に挑んだ料理を一冊にまとめた。地元で採取したアシツキやカタクリを使い、古代の器に盛り付けて紹介し、万葉ロマンあふれる内容になっている。家持生誕1300年の節目とあって注目を集めそうだ。

 経沢さんは日本海文化悠学会に所属し、郷土史を研究。料理人として日本人の祖先は何を食べていたのか興味を持ち、日本食のルーツを求めて世界各国を訪ね歩いたり文献を調べたりした。万葉集に行き着き、歌に詠まれた食材を使って塩や酒など限られた調味料で料理を考案した。

 「古代越中の万葉料理」と題し、富山市の桂書房から出版。大伴家持の歌「雄神川 紅にほふ 娘子(おとめ)らし 葦附(あしつき)取ると 瀬に立たすらし」に出てくる藍藻アシツキの酢の物や、「もののふの 八十(やそ)娘子らが 汲(く)みまがふ 寺井の上の 堅香子(かたかご)の花」と詠んだカタカゴ(カタクリ)のおひたし、能登の海で採取した巻き貝シタダミの塩ゆでなど11品を紹介した。

 富山市埋蔵文化財センターから借りた出土品の器で料理を撮影。食材が出てくる万葉集の歌や時代背景を説明し、写真をふんだんに使って分かりやすくまとめている。経沢さんは「当時の料理はレシピが残っていないため分からないが、万葉のロマンを味わってほしい」と話している。

 本はA5変形判、93ページで1300円。万葉料理はまる十で提供しており、要予約。問い合わせはまる十、電話076(441)4770。

北日本新聞社

最終更新:6/6(火) 22:04
北日本新聞