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AV強要の実態は? 撮影に同行 「えっ」と絶句した女優の自己決定権 予定になかった行為の指示も

6/8(木) 7:00配信

withnews

 AVの撮影現場とは、いったい、どのような場なのか。AV出演強要問題の取材のため同行した撮影現場は、ベテラン監督が出演女優に念入りに事前の内容確認を進め、撮影自体も丁寧だった。一方、女優が出演内容について、きちんと聞かされていなかったトラブルも。女優は取材に対し、「AV出演者の自己決定権」につながる情報が十分に伝えられていない実態を明かした。(朝日新聞経済部・高野真吾)

【画像】間近で見たAV撮影現場「被害者から聞いているだけではない世界…」 出演強要の実態

「最悪、撮影をなしにしてもいい」

 4月下旬の朝、甲信越地方のスタジオに向かう車中。AVメーカー「V&Rプラニング」創設者の安達かおる監督(65)が運転し、後部座席にはこの日出演する女優2人がいた。

 車を走らせ30分ほどたった時、女優たちが撮影内容の話をし始めた。すると、それまでほとんど黙っていた安達監督が口をはさんだ。

 「待って。君たちが言っている内容、予定と違うよ」

 「えっ」と絶句し、戸惑う女優たち。安達監督は、自社の撮影の基本方針を説明し、女優たちがマネジャーから聞かされていた撮影内容が予定と異なることを告げた。

 安達監督は「落ち込まないで」と後部座席の女優に声をかけつつ、スタジオ入りしている社員に矢継ぎ早に指示を出す。カーナビのモニターで電話をできるようになっており、運転に支障はない。

 「最悪、今日の撮影をなしにしてもいい。女優さんのマネジャーにきちんと確認して。販売日、撮影日も含め総合的に判断するように」。車中では、こうした内容のやりとりを続けた。

「今日はイレギュラーな日」

 40分後、今回の撮影でADを務める女性社員と最終的な電話をし、女優が聞いていない行為は別の日の撮影にすることで落ち着いた。女優2人も、ようやくほっとした様子を見せた。

 撮影現場では、「今日はイレギュラーな日」と複数のスタッフから説明された。しかし、プロダクションからの連絡が不十分なことは、ままあるようだ。撮影中に話を聞いた女優が明かした。

強要問題「大昔の話かな」

 まず、2人の女優はAVの撮影現場について「すごく好き」「楽しい」と口をそろえて話した。自ら望んでAVの撮影に臨んでいるという。

 既に数年の経験があり、他の女優と共演する機会もたくさんあったが、「みんな好きでやっている」「嫌々やっている子、いないと思います」と語った。

 1人は出演強要問題について「大昔の話かな、そんなのあるとしたら」とよそ事だった。もう1人は「女の子を第一に考えてくれる業界だと思う」としつつ、「やりたくない仕事をさせられてしまったのではないかな。断れなかったという感じなのかな」

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最終更新:6/8(木) 7:00
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