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イスラム女子の「コスプレ魂」 ヒジャブで「盛り髪」戒律を逆手 「ちょっとした誇り。ユニークでしょ?」

6/12(月) 7:00配信

withnews

 イスラム教徒の若い女性の間で、東南アジアを中心に、コスプレが流行しています。イスラム教といえば、女性は肌の露出はもちろん、人前では髪の毛も出してはいけないという宗教。ところが、これを逆手に取り、ヒジャブ(スカーフ)で髪の毛を表現しているんです。(朝日新聞国際報道部記者・神田大介)

【画像】完成度が高すぎる…うさみみ・初音ミク…イスラム女子のヒジャブ活用コスプレ

ヒジャブ(スカーフ)の着用がイスラムの教え

 イスラム教徒の女性は、家の外では、ヒジャブと呼ばれるスカーフをかぶります。

 これは、イスラム教の聖典コーランに、「女性は自分の美しい部分を隠すべし」という意味のことが書かれているからです。

 解釈は人や地域によってまちまちですが、原則として、出して良いのは顔と手だけだと言われています。

 イスラム教というと中東のイメージが強いかもしれませんが、国別でみたとき、最も多くのイスラム教徒が住んでいるのはインドネシア(約2億人)。

 マレーシアはイスラム教を「国の宗教」(国教)とし、人口3000万人の約6割がイスラム教徒です。

 このほか、シンガポールやブルネイにもイスラム教徒がいます。

東南アジアでは日本のアニメ・ゲームが人気

 そんな東南アジアでは近年、日本のアニメやゲームの人気が高まっています。

 衣装をつくって登場キャラクターになりきる、コスプレの大会も開かれるようになりました。

 そうなると、女性の場合に問題になるのがヒジャブです。

 日本のアニメやゲームに出てくるキャラクターは、ほとんどの場合、スカーフをつけていません。

 むしろ、髪形や髪の毛の色が、それぞれのキャラクターのシンボルのようになっていることもよくあります。

 ですが、教えは破れないので、ある程度は妥協しつつ、できる範囲でコスプレを楽しんできたそうです。

コスプレを楽しむためにとった解決策は…

 好きなキャラクターに、もっと近付きたい。

 東南アジアに住むイスラム教徒の女性たちは、ヒジャブを髪の毛に見立てることを始めました。

 日本でもコスプレ用にウィッグ(かつら)をつける人はよく見ます。これを布でつくってしまうというわけです。

 案外、違和感がありません。もともと奇抜な色や髪形のキャラクターが多いからでしょうか。

 この手法、「ヒジャブコスプレ」と呼ばれています。

 ご本人たちに聞いてみました。

 miisaさんはマレーシア在住の会社員、21歳。コスプレ歴は1年で、「進撃の巨人」の「ミカサ」が大好きだそうです。

 「コスプレのためにヒジャブを取らなくてもいいというのは、ちょっとした誇りです。ユニークでしょ? フェイスブックでヒジャブコスプレを見て、コスプレを始めました。どうやったらヒジャブをコスプレに活用できるか、考えるのが好きです」

 コスプレ用のヒジャブはすべて自作で、簡単なものなら15分くらいでつくってしまうとか。

 子どものころから日本のアニメに親しんできたそうです。ドラえもん、ポケモン、デジモン、カードキャプターさくら、遊戯王、ベイブレードなどなど。

 「最初に勇気を持ってヒジャブコスプレを始めた人を尊敬します。コスプレ大好き」

 インドネシアの22歳の学生、Rahzel Auroraさん。好きなアニメは「黒執事」で、キャラは「シエル・ファントムハイヴ」。

 「コスプレってとても個性的になれると思います。最近ではヒジャブにウィッグを組み合わせることにこだわっています」

 悩みが一つあるとか。

 「短いスカートをはいているキャラクターのコスプレができないんです」

 マレーシアに住む21歳の学生、Ai Nuruiさんはコスプレ暦3年。好きなキャラは「NARUTO」の「うちはサスケ」。

 「いちばん大事なのは、(ヒジャブコスプレをすることで)自信を持てること。ヒジャブを使っても、どのキャラクターのコスプレをしているか、きちんとわかってもらえました!」


 インドネシア人のrai_arima17さんは去年の11月にコスプレを始めたばかり。

 ヒジャブが使えるようになり、コスプレを始めるイスラム教徒の女性が増えているそうです。

 「あきらめなかったことが、ヒジャブコスプレの発明につながったんだと思います。コスプレ自体をよく思わない人もいますから」

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最終更新:6/12(月) 7:00
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