ここから本文です

ネタ投稿が「ロンダリング」される瞬間 フジ、東スポ…相次ぐ誤報、背景は?

6/8(木) 7:00配信

withnews

 ネット上の「ネタ」が事実としてメディアに取り上げられ、誤報となるケースが相次いでいます。事実確認をすれば防げたはずですが、そこにはネット上で情報が「ロンダリング(洗浄)」され変質する状況も見えてきます。ジョークだと分かる人たちで楽しんでいた情報が、転載を重ねることで、文脈がそぎ落とされ、事実かのように広まってしまう。誤った情報を拡散させないために気をつけるべきことは、何なのでしょうか?(朝日新聞デジタル編集部・信原 一貴)

【拡大画像】ネタ投稿と一致 東スポ、誤報コメントが掲載された紙面

番組内でお詫び

 宮崎駿監督の引退撤回をめぐり、フジテレビ系の情報番組「ワイドナショー」で、ネット上のジョークと酷似した誤報がありました。

<1986年 天空の城ラピュタ「人生で最高に引退したい気分」>
<1997年 もののけ姫「100年に1度の決意。これを最後に引退」>

 5月28日の放送で宮崎監督の発言として、根拠のない情報が紹介されたのです。

 すぐに「ネットで広まった、ジョークの『ネタツイート』と内容が同じだ」との指摘がネット上で続出。フジテレビは、6月4日の放送で「事実確認を十分に行わず放送に至った」とお詫びする事態となりました。

東スポも「100年に1度」

 さらに、東京スポーツが2月26日に掲載した記事「巨匠・宮崎駿監督またもや引退撤回 『まるで映画界の大仁田だ』の声」にも、同様の誤報があることが分かりました。

 ネット配信もされていましたが、記者の問い合わせを受け、同社は記事を削除しています。記事には以下のように書かれていました。

▼▼
宮崎監督はこれまで何度も引退発言してきた。「紅の豚」(92年)で「アニメはもうおしまい」と話せば、「もののけ姫」(97年)では「100年に1度の引退の決意」「これを最後に引退する」とまで発言。――東京スポーツ(2月26日付)より
▲▲

 このうち「100年に1度の引退の決意」というコメントが、ネットで流れたジョークと一致しています。

 東京スポーツ新聞社は取材に対し、「裏付け取材が不十分で、実際には宮崎監督の発言ではないコメントを監督の発言として掲載しました」(法務広報室)と説明。「再発防止に向けてチェックを徹底したい」としています。

1/3ページ

最終更新:6/9(金) 10:34
withnews