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業者や農家、協議会発足 わら納豆、安定生産へ

6/7(水) 10:00配信

茨城新聞クロスアイ

将来的な生産継続が危ぶまれている本県名産の「わらづと納豆」を守ろうと、原料となるわらの安定確保に向けた協議会が6日、発足した。農家の高齢化や機械化により、わら不足が深刻さを増す中、行政や納豆メーカー、コメ農家らが連携した取り組みを本格化させる。2年後の2019年度には、年間で約10万食分に当たる約12トンのわら供給を目指す方針だ。

■伝統文化維持へ連携
発足したのは、水戸市と同市内のコメ生産組合、県納豆商工業協同組合、障害者就労施設で構成する「市わら納豆推進協議会」。この日、水戸市内で開かれた設立総会で、同協議会の斉藤政雄会長は「本県の伝統文化とも言えるわらづと納豆を守るため、連携して課題を乗り越えたい」と訴えた。

わらづと納豆に使われるわらは、約70センチの一定の長さが必要となるほか、土が付着していないなどの品質が必要。特にコンバインなどの農業用機械で収穫すると粉砕されてしまうため、生産農家が手作業で丁寧に刈り取り、乾燥させたものが求められる。

ただ、農業の機械化が進んだことで手作業による収穫は激減。これまで手刈りを続けていた農家も高齢化で減少傾向が続いており、わら不足は深刻化している。このため昨春、県内の納豆メーカー各社はわらづと納豆を一斉に値上げ。わらの価格を引き上げ、生産農家や加工業者に生産の継続を促してきた。

こうした背景を受け、協議会では納豆メーカーがわらを安定的に確保できる仕組みを構築する。まず、市の支援により、収穫時にわらを粉砕しない専用機械を生産農家が導入。収穫したわらは障害者就労施設で結束などの加工を行い、市内各メーカーに供給する。本年度は5万食分、計6トンのわらを生産する計画だ。

県納豆商工業組合によると、市内の納豆メーカー4社が生産するわらづと納豆は年間で80~90万食分に上る。同組合の高野克巳理事長は「(協議会によるわらの確保は)全体のほんの一部だが、少しずつでも生産量を増やしたい」と期待を込めた。


(前島智仁)

茨城新聞社