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ソロの千聖はフットワークが軽くて自由奔放、それはソロのスタート当時から変わっていない/インタビュー2

6/7(水) 16:15配信

エキサイトミュージック

 
■千聖/20th Anniversary Best Album『Can you Rock?!』インタビュー(2/4)

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よく言ってくれた、俺、天才でしょ

――アルバム『ORGANIC GROOVER』を発表するまでの数カ月間に、相当な紆余曲折と音楽的な鍛錬を経験したんですか?

千聖:ちょうどPENICILLINが全国ツアー中で、その裏でソロの作曲で相当揉まれていました。96年7月にPENICILLINが初めて武道館ライブやった時、千聖のソロが公式発表になったんですよ。それでPENICILLINが解散だと思われる事件も起こって(笑)。当時はソロを始める=脱退かバンド解散、もしくは活動休止なんですよ。しかもPENICILLINはデビューしてこれから攻めるぞってタイミングで、僕らのソロデビュー発表だったからね。インタビューでは、なぜそんなことするのって怒られるパターンからよく始まったから(笑)。でも自分では、その頃にはもう棲み分けもできていたんです。もともとソロをやりたいとか歌いたいとかってわけでもなく、やってみたら、こういう音楽の作り方もあるなっておもしろくなっちゃって。

――今回のベストで改めてソロ時代の曲を聴くと、ものすごくバリエーション豊かで、今、聴いてもカッコいい曲が多いですよ。

千聖:ありがとうございます。そう、自分でも思った。天才だなって(笑)。ほんとに思ったのね、うん、分かるよ、分かる。

――その自分褒めは、まるでライブ中のMCを聞いているような錯覚に陥りますが(笑)。

千聖:自分褒めっていうか、いや、ほんとによく言ってくれたな、カッコいい曲って。今日のエキサイトミュージックの取材、ポイント高い。

――当時から好きな曲のひとつが「CYBER ROSE」なんですよ。アコギでフラメンコ的アプローチしていたり、色気のあるメロディもあって。

千聖:でもバックサウンドはデジロックな感じでしょ? これも天才でしょ? だよね! でも「CYBER ROSE」は、1stアルバムの『ORGANIC GROOVER』を作り終えて、PENICILLINの『Limelight』(1997年7月リリース)の制作に入ったタイミングで作った曲。しかもPENICILLIN用に。でも当時のプロデューサーからボツを食らって、曲の持って行きどころがなくて、自分で歌おうかなと。ソロのほうのプロデューサーである重盛さんに聴かせたら、いい曲だよって採用になって。この曲はアレンジも紆余曲折あって、最初はロックとファンクが融合したようなスティーヴィー・サラスみたいな曲調だったんです。だけど、あんまりシックリこなくて、もうちょっと違う方向にしたいなって、半年ぐらい、他の曲をやりながら試行錯誤を重ねて。その最後に辿り着いたのがアコースティックギター。ところがその頃からPENICILLINが忙しくなって、ソロの制作は一度、止めることにしたんですよね。だからその1年後に再度制作に入って作り上げたのが、シングルの7枚目として「CYBER ROSE」を出したんですよ(1999年3月リリース)。

――ソロを一度休止させたことで新たに分析して見えるものもありました?

千聖:『ORGANIC GROOVER』の制作期間的はたった3~4カ月間。でも次の『CYBER SOUL PAVILION』は2年以上掛けて作っているので、まるでポイントも違うし、気持ちも心境も違った。歌も全然違う。同じ千聖でもだいぶ違うんですね。

――自分の中でいろんなものが開花したような感じも?

千聖:そうですね。自分がどういう音楽をして、どんな声で歌ってとか、自分にまず何ができるんだろうから始まったのが1stアルバム。さぁ千聖のソロのスタイルは大体見えて固まったから次はどうしようかってのが2nd。目的地も分かっているんで、2ndアルバムはだいぶラクでしたね。ただ、ひたすらおもしろかったというのは、全部の共通項ですね。

――ソロアーティストの千聖はこうでなきゃいけない、というものも自分の中にありました?

千聖:デビューする時に本部長さんから講義を受けたって話したじゃないですか。自分でもなかなかいい分析をされているなと思ったぐらいで(笑)。客観的にどうしたらいいのかというのも分かって、それが今も基本になっているかな。もちろん年齢も重ねて変わるところもあるけど、基本ラインの千聖としての在り方は、あまり無理もしていないんですね。こうじゃなきゃダメってことにも捕らわれない。お客さんが求めるこうであってほしいという、分かりやすく例えるなら、吉本新喜劇の鉄板ギャグみたいな鉄板ラインは残すけど、あとはフットワークが軽くて自由奔放というか。だからアコースティック1本でもいいし、音の洪水のようなデジロックでもいいし、オーケストラでもいいし、おもしろけりゃいいんじゃないのってことですね。聴いている人がワクワクして、こっちもおもしろければ尚更よし。そのへんはソロがスタートした当時からあまり変わってない。今で言うコラボレーションがよく似合うスタイルが、自分のソロワークだと思うんですね。バンドは固定のメンバーで生み出す良さがあるじゃないですか。ソロは、プロの一流ミュージシャン達が自分の音楽をどう表現するんだろうって思いながら、一緒に音を出してレコーディングする感じで。当時はほぼ一発勝負の録音だったんですよ。そういう経験を若い時にできたのは、ほんとに良かったなと思う。

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