ここから本文です

プログラマティック動画広告への投資が拡大、課題はブランドセーフティ――AOLプラットフォームズ・ジャパン調査

6/7(水) 10:51配信

ITmedia マーケティング

 AOLプラットフォームズ・ジャパンは、デジタル動画に関して生活者行動並びに広告主やパブリッシャーといった業界動向に関するAOLのグローバルリサーチ「2017 State of the Video Industry Global Research Study(2017年動画業界グローバル実態調査)」の結果と考察を発表した。

 調査対象は月1回以上オンライン動画視聴用にデバイスを使用する7カ国/地域の16~54歳の一般生活者1264サンプルおよびデジタル動画広告に携わるバイヤー(代理店、広告主)と販売業者(パブリッシャー、アドネットワーク、アドテク)1609サンプル(日本:一般生活者153サンプル、バイヤー・販売業者201サンプル)。オンラインのアンケート調査で、デジタル動画の視聴頻度・使用デバイス、デジタル動画への投資状況、生活者が視聴する動画の長さ・種類、広告主やパブリッシャーが認識するデジタル動画の課題などを聞いている。主なポイントは以下の通り。

モバイルが動画市場の成長を加速

 グローバルで、常にモバイルが手近にある生活者は77%。生活者の80%がモバイルで、85%はデスクトップやラップトップで週1回以上動画を視聴している。また、広告主の47%、およびパブリッシャーの57%が、2017年にはモバイル動画への投資を25%増加させる見込み。

検索やソーシャルネットワークが加速させるデジタル動画の視聴

 生活者が検索(57%)やソーシャルメディア(37%)、シェア(37%)によってオンライン動画に誘導される割合は以前よりも高く、いずれもパブリッシャーのWebサイトで動画を直接見つける割合(19%)より高い。日本では、検索(61%)が最も高く、レコメンド(33%)、シェア(28%)の順であり、パブリッシャーのWebサイトで動画を直接見つける割合(13%)はグローバル同様最も低い。

テレビからデジタルへシフトし続ける動画広告の予算

 広告主の70%が放送・ケーブルテレビへの広告予算を減らしており、余剰分をデジタル動画に投資している。また、広告主はモバイルに多額の資金を投入し、63%が予算をモバイル動画にシフト。

ライブ動画が主流に

 生活者の55%が、ライブ動画を1週間に1回以上視聴しており、66%がモバイルでライブ動画コンテンツを見ている。主に、ライブニュース(60%)、ミュージックイベント/コンサート(49%)、スポーツイベント(47%)を見ているという結果に。

生活者は没入型動画に興味を示している

 生活者の48%がバーチャルリアリティ(VR)動画を最低でも1度は見たことがあると回答。VR動画を視聴する生活者の32%が、モバイルを利用。どのような動画コンテンツをバーチャルリアリティ(VR)で見たいかという質問に対する回答は、グローバルでは1位がエンターテイメント(映画・TV)で45%、2位がバーチャルツーリズム(仮想旅行)で38%、3位が科学や自然に関する動画で34%。日本では1位がエンターテイメント(映画・TV)で54%、2位がニュースで38%、3位がスポーツ/コンサートで35%と、大きく異なる結果に。

ソーシャルメディアと品質がデジタル動画の成長をけん引

 広告主とパブリッシャーが考える、動画の成長をけん引する最も重要な要素は「より質の高いクリエイティブであること」(広告主の47%、パブリッシャーの53%)と「ソーシャルメディア」(広告主の46%、パブリッシャーの50%)の2点。

プログラマティック動画への支出が増加する一方で、残った課題

 広告主の77%、パブリッシャーの81%が今後プログラマティック動画広告への増資を計画。広告主は動画広告予算の41%をプログラマティック動画購入に充て、パブリッシャーの80%が「より多くの広告主の需要へのアクセス」がプログラマティック動画の最大の利点であると認識。日本では、「CPM(Cost Per Mille)の高さ」が80%で最も多い回答となっている。広告主が感じる課題は「既存のプロセスやシステムへの統合」(57%)、「安全と品質への懸念」(54%)、「動画広告制作の困難さ」(53%)など。パブリッシャーが感じる課題は「ブランドセーフティの懸念」(45%)、「既存のプロセスとシステムの不足」(44%)、「広告主との直接の関係を失うリスク}(42%)。また、日本における広告主の課題はグローバルとほぼ同様であるのに対し、日本のパブリッシャーの課題は「コンテンツのコモディティ化へのリスク」(59%)、「経験不足」(55%)、「ブランドセーフティの懸念」(45%)など、グローバルと異なる結果に。

広告主はブランド動画への投資を続けるが、今年は評価手法の懸念が増大

 広告主の40%が現在ブランド動画に投資しており、これを継続する意向を示している。また、広告主は動画の最大の収益チャンスを「ブランド動画コンテンツ」(55%)、「1分~5分の動画」(52%)、「360度動画、VR、ARなど新しいフォーマット」(50%)であると考えている。一方、日本では「1分~5分の動画」(59%)、「1分以下の動画」(58%)、「360度動画、VR、ARなど新しいフォーマット」(48%)、「ブランド動画コンテンツ」(47%)の順。ブランド動画の評価方法や品質には懸念も存在する。日本では広告主の67%が「価格/コスト」を最大の課題として挙げており、53%が「コンテンツの質」と回答。

業界全体として「広告の将来はデジタル動画」で一致

 広告主の65%がデジタル動画こそが広告の将来であると考え、68%が「将来の自社の広告の取り組みにおいて、デジタル動画の重要性について理解している」という考えを示している。