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香港・中環で日本の若手陶芸家展 カフェ内で食器としても使用

6/7(水) 17:51配信

みんなの経済新聞ネットワーク

 香港で前衛芸術の発信地ともなっているフリンジクラブ内のカフェ「Fringe Vault」(G/F,2 Lower Albert Rd, Central, Hong Kong、TEL 2521-7251)で6月1日、企画展「日日和器-夏-」が始まった。(香港経済新聞)

同時期展示の伊藤さんの作品は落ち着いた色味ながらモダンなデザイン

 同企画は陶芸家の二階堂明弘さんをディレクターに、年間を通じて開催されているもので、今回は「夏」をテーマに2人の若手陶芸家による作品を紹介する。

 同展開催のきっかけは、同企画のキュレーターでもある香港人のジェシカ・ウォンさんが、一つ一つに表情がある日本の器に魅せられ、自身も日本に通い、少しずつ買いそろえるうちに香港人の人にももっと見てもらいたいと発案したもので、日常で使うシーン含めてカフェで展示する。夏の3カ月は、陶芸家の和田山真央さんと伊藤千穂さんの作品を展示し、一部カフェ内のメニューでも使用される。

 和田山さんの作品は、発色や、作品のテーマなどはさまざまだが、全体的に柔らかい印象を与える作品が多い。「矛盾」をテーマに表現したというシリーズ「水面(みなも)流れ」は、焼いた後の器の表情を見て、スポイトで一滴ずつ上薬を点のように加えると、その点が線となって流れて別の表情が出来上がる作品。点を落とす作業は作品作りの中でも自分のコントロールが効かない部分である。「人はお金が欲しいとか理想と現実が違うとか思うようにはならない状況の中でも、もがいて何かを頑張っているというメッセージを込めている」と和田山さん。

 「教科書で駄目だと書かれていると逆に挑戦してみたくなる」といたずら心をのぞかせ、他の作品にも遊びを感じさせる要素も多い。「忘己利他(もうこりた)」と名付けた作品は、板状の長方形のプレートに、スポンジなども使って仕上げた作品。和洋を問わずに料理人が表現しやすいようにと気遣う。固定概念にとらわれない自由さは、和田山さんが大学時代をアメリカで過ごしたことにも理由がある。

 和田山さんと同じく、夏期間の展示をする伊藤千穂さんは、愛知県瀬戸市を拠点に活動する陶芸家で、織部をベースに、さまざまな模様を彫り込む技法が特徴的。落ち着いた色味に仕上がる作品だが、モダンな模様に地味さを感じさせない工夫がされている。

 今後、秋、冬には新たな若手陶芸家の作品がそれぞれ展示される予定。夏編は8月31日まで。

 開催時間は11時~20時30分。日曜定休。

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