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“エミール・クストリッツァの村”から始まった「ブランカとギター弾き」誕生秘話

6/7(水) 20:00配信

映画ナタリー

「ブランカとギター弾き」の監督を務めた長谷井宏紀から、本作の誕生秘話を明かすコメントが到着した。

【写真】「ブランカとギター弾き」(他7枚)

本作は新人映画監督を発掘するプロジェクト、ヴェネツィア国際映画祭カレッジシネマ部門の出資を受け、映像作家や写真家として知られる長谷井が長編監督デビューを果たした作品。フィリピン・マニラを舞台に、母親を金で買うことを思いついた孤児の少女ブランカと盲目のギター弾きピーターの旅が描かれる。

2009年、フィリピンのストリートチルドレンとの出会いから生まれた短編「GODOG」で、映画監督エミール・クストリッツァが主催する、セルビアのKustendorf Film and Music Festivalでグランプリを受賞した長谷井。その後のことを、長谷井は「『アンダーグラウンド』や『黒猫・白猫』のプロデューサーのカール・バウハウトナーと、セルビアにある“エミール・クストリッツァの村”で出会った」と振り返る。そして「もともとエミールが僕の短編を気に入って、彼の映画祭でグランプリをもらったんだけど、そのときの審査員長がバウハウトナーだった。エミールが『宏紀、映画を撮るならこのプロデューサーしかいない。俺からもお願いしておくから』と言ってくれて、彼と制作が始まった」と、プロジェクトが生まれた経緯を説明した。

しかしバウハウトナーは、別の短編映画の製作途中で他界。それを機に日本へ帰国した長谷井だったが、2014年の夏、プロジェクトに参加していたイタリアのプロデューサー、フラミニオ・ザドラから説得され、ヴェネツィア国際映画祭の企画へエントリーする運びに。そして約600ものプロジェクトのうち、ポーランド、アメリカ、そして長谷井のイタリアチームという3つのプロジェクトが最終的に選出される。第72回ヴェネツィア国際映画祭にて、本作はジャーナリストから贈られるソッリーゾ・ディベルソ賞と、若者たちの世界に肉薄した作品へ贈られるマジックランタン賞に輝いた。

長谷井は制作に踏み切るきっかけを作ってくれたクストリッツァに対し、「エミールは僕にとってゴッドファーザーだね。2年半もの間、寝る場所も食べ物も全て彼がサポートしてくれた」と感謝。また「村に数年ぶりに帰ったとき、『家におかえり』とエミールが言ってくれた。エミールは映画を観てとても喜んでくれて、少し彼に恩返しができたとうれしかった」と胸中を明かした。

「ブランカとギター弾き」は7月より東京・シネスイッチ銀座ほか全国にて順次ロードショー。



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最終更新:6/7(水) 20:00
映画ナタリー