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ふるさと納税で「損」している23区ランキング ー 財政に影響が大きいのは世田谷区、港区、江東区……

6/7(水) 7:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

以前住んでいた故郷や支援したい自治体に寄付でき、税の寄付控除も受けられる制度として2008年に導入されたふるさと納税が、いま曲がり角を迎えている。税の寄付控除や返礼品を求め、居住している自治体以外の市区町村に寄付をする動きが加速し、東京23区では本来得られるはずの税収が激減しているのだ。特に税収減の幅が大きい自治体は、強い危機感を抱き、対策に乗り出している。

【画像】23区の税収への影響・グラフ

100億円減も予想する世田谷区

総務省の調査結果によると、2015年度、ふるさと納税によって寄付された総額は、受入額ベースで1653億円。388億円だった前年から約4.3倍に跳ね上がった。導入当初の2008年度が81億円だったことと比べると、驚くべきほど規模が拡大している。この上昇トレンドに大きな影響を与えた理由の1つが、2011年3月の東日本大震災だと言われている。さらに、2015年から税の控除額が2倍となり、メディアの報道や情報サイトが相次いで取り上げ、総務省がポータルサイトを立ち上げるなど、ふるさと納税への周知が高まったことも影響している。

しかし、水面下では、都市部からの税の流出が起きていた。雑誌『中央公論』を引用した読売新聞の報道によると2015年度、ふるさと納税による税収の流出の幅が1番大きかったのは横浜市で、額は28億798万円。次いで名古屋市が17億8701億円と2位。だが、東京23区以外の自治体では減収分の75%が地方交付税によって補填されるので、横浜市と名古屋市は一定の収入は確保されるのだ。

問題は、地方交付税の不交付団体である東京23区だ。特に減収幅が大きかったのが3位の世田谷区だ。世田谷区は2016年度、税収を含む一般会計予算約3000億円のうち、ふるさと納税による税収減は16億円を見込んでいる。さらに2017年度にはふるさと納税に絡む税収減が約1.8倍の30億円にも上ると推計している。保坂展人・世田谷区長はBUSINESS INSIDER JAPANの取材に「30億円というと、学校が1校建設あるいは改築できる規模だ。100億円に向かって膨張するという危機感がある」と話した。世田谷区は歳入を増やすための対策として、児童養護施設や高齢者の福祉施設など7つの基金から税の使い道を選択できる寄付制度の認知拡大を図っているが、効果のほどは未知数だ。

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